これも 客車と同じように KD カプラーが素直に付かない のです。 大変さは、むしろ客車より上なんですが、まあちょうど良い KD カプラー装着テーマなので、客車と同じように写真入りでまとめて みました。
この機関車の場合テンダー側のカプラーは床板の梁の一部がカプラー ポケットになっていてそこにホーンフックカプラーが入るようになって います。残念ながら改造前の写真はないんですよね...
で、客車と同じようにこの部分に KD の #5 が入るかというと、残念 なことにあまりに低過ぎる。 そこで、もう少し大規模な改造が必要になります。
床板をはずして (裏のネジを二本外せば取れる) カプラーの付いている 回りを何も気にせずにガリガリとヤスります。 実際には、ヤスリをかけるのは面倒なのでカッターで切りとって仕上げ だけヤスリをかけました。
ちょっと見えにくいですが真中に穴が空いています。 つまり、ここは中空で床板がもともとないんですねぇ...
穴の部分をどうにかしないと、カプラーポケットを止めることもできま せん。 KD には #9 のように蓋を床板に接着してセルフタッピングでカプラーを 装着できるものもあります。 ただ、なんとなくこのテンダーの床板は接着剤が効きそうにないので、 全く違う方法でやってみました。
その辺の適当な真鍮板 (私は t0.8 を使いました) を適当な大きさに切って これをテンダー床板の上にはめ込みます。 この板にはちょうど真中に適当なネジ穴をタップで開けておきます。 たしか (なんと、あやふやな) M2 のタップだったように思います。
上にも書いたように、この床板はあまり接着剤が効きそうにないので実は この真鍮板はどこにも接着されていません。 単にカプラーを止めるネジで床板を間にして止まっているだけです。
これでもカプラーが前後左右に動かないのは、真鍮板によって左右および後 ろへの動きが止められ (だから幅だけはきちんとはまるように切り出した)、 前へはテンダーの梁で止まるようになっています。
もう少し手を加えて、真鍮板をテンダーの床板へネジ止めしようかと思った のですがいつもの「メンドクサイ病」に襲われそのままです。
まあ、それでもサイズさえきちんとしておけばガタ付くこともないですしね。
前の写真だけ見ると、えらくカプラーが飛び出ています。 ちなみに、使ったのは KD の #29 (下にオフセットした一番長いもの) です。
ところが、左側の写真のようにテンダーの車体までつけるとこの長さでちょ うど良いのです。 逆にいうと、#5 のような普通の長さのものだと上のような付け方はできな いことになってしまいます。
これは、実は米国製の蒸機の特徴でして、テンダーの車体はそれが乗って いるフレームに対して、相当前寄りに付いているのです。 この特徴は日本に輸入された古典蒸機でも一緒ですから、日本型の HO (1/87, 12mm ゲージ) の場合などは長柄のカプラーがなくて困ることも 多いのです。 そういう時にどうしてるかなんて話は又別のネタで...
これで、一応完成ですから車体を止めていたネジをもう一度止めて (ち なみにここはセルフタッピングになっているので、あまり付けたりはず したりすると止まらなくなるかも) 右のようになります。
NYC の客車といい、この機関車といい KD の#5 ではちょっと装着が大変 になりそうなものですが、#24/27/29 という下にオフセットしたタイプの カプラーを使うと楽になることが多いのです。 ほんの一年ほど前までは「なんとしてでも #5 を付けるもんねぇ」と言っ ていたのがウソのよう ;-)
この後、前にカプラーをつける (そうしないと Pennsylvania 名物の重連 や 3 重連が出来ない) という話と、サウンドの装着の話があるんですが、 これも又改めての話としましょう...