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在院期間による急・慢性区分は断固阻止
病院団体、日医と連携強め国民医療を死守

特別講演 第4次医療法改正について:衆議院議員 桧田 仁(日本医療法人協会ニュース 平成11年7月15日 第181号)より

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  4月の“日本型参照価格制度”の白紙撤回以降、一連の医療制度抜本改革が紛糾していることは、みなさんご存知のとおりです。これはわれわれ医療側が、ここにきてやっと押し返していることの結果です。第4次医療法改正に関していえば、一般病床の急性期・慢性期区分のあり方が一つの大きな焦点となっていますが、厚生省と経営者団体、健保連、連合は、何としても平均在院日数で区分することによって、(本来なら急性期や亜急性期医療を担うべき)一般病床の多くを療養型病床群に転換させようとしています。むろん、最終的には大幅な病床削減を狙っているわけです。しかし、われわれ医療人の常識からすれば、急性期と慢性期を単に在院日数で区分することは不合理の極みであり、このような乱暴な区分は断じて許されません。

  加えて、1床当たり面積や廊下幅など施設構造基準、医師や看護婦等の人員配置基準の強化を医療法本則で規定せよ、との意見も聞かれますが、これも“病院パッシング”の一貫と言わざるを得ません。へき地や離島など非常に厳しい環境の中で地域医療に邁進している病院は同時に、人員確保にも大変に苦労されております。医師の充足率6割という数字は、こうした実状を背景としているのです。医療法はむしろ、このような病院のことを勘案して必要最小限を規定するにとどめるべきです。それ以上にがんばっている病院には、診療報酬で評価すればよい話です。

  私は、こうした医療側の意見を宮下厚生大臣にも直接ぶつけており、在院期間を急・慢区分に用いることの是非については、「慎重に対処する」との回答を得ております。

  ところで厚生省や財界はことあるごとに医療費の増嵩を言い募りますが、平成9年の健保法改正等の影響で、医療費の伸びは明らかに頭打ちの状態にあります。ところが、こうした「まずい」データは、厚生省も財界もあまり表には出したがりません。

  このような情報操作は、薬価制度改革にもあらわれています。従来、厚生省は日本の医療機関の薬価差について「1兆円超」と繰り返してきました。ところが昨今、薬価差解消で関係各方面の意見が一致し、技術料への振り替え論議が焦点となった途端に、4,700億円しか薬価差は存在しないと言いはじめたのです。私の試算では現在でも薬価差は1兆8,000億円あります。これを正当に技術料へと振り替えるよう、強く働き掛けていきます。

  昨今国民も、漸増する医療費の自己負担に加えて来年4月からは介護保険料も徴収されるとあって、「改革とは負担が増えること」と気づきはじめています。こうした国民の声を背景に、病院団体、日本医師会との連携もより一層強め国民医療を守っていく所存です。


ひのきだ・じん

昭和17年、広島県生まれ。京都府立医大卒。桧田病院院長。平成8年、衆議院議員初当選。現在、自民党社会部会副会長、衆議院厚生委員会委員などを務める。日本医療法人協会特別顧問、広島県医療法人協会常任理事。

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