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質と価格の競争が医療をよりよい方向に持っていくと期待する

月刊「JAMIC JOURNAL」(日本医療情報センター) 1997年7月号
特集病院経営の規制緩和
営利企業の参入は許されざる者なのか!? より


INTERVIEW 企業参入をどう考えていくべきか

Jamic 7 今の医療業界をみますと、経営感覚に乏しい方がたくさんいます。そのことを考えるならば、医療費の膨張が深刻な問題となっている今、企業の参入により病院経営に新しい考え方が入ってきて、市場に競争が生まれてくるようになれば、医療費の抑制ということも含めて、サービスの向上や病院経営の効率化といったことが図られていくのではないでしょうか(その結果、私自身の病院が競争に負けてしまうかもしれませんが)。ただ、そのときに考えたいのは企業参入を認めると同時に医療や福祉への資金面での規制緩和を図っていくべきということです。

一般企業と病院との最も大きな違いは資本にあります。株式会社のように市場からの資金調達を認められていない病院には、資金を得る方法は自己資金か銀行からの借り入れしかありません。それでは、競争する条件としてあまりにも不公平があるといわざるを得ないでしょう。企業の参入を認める大きな理由に市場に競争を促すということがあるならば、この資金調達の公平性が企業参入の一番の条件になると思います。

また、今のように医療計画に基づく病床規制がある以上、企業参入といっても既存の病院を吸収合併するか、あるいは部分的に資本提携して共同経営にするという形で参入してくる可能性が最も高いと考えられます。それに新しい分野にいきなり参入するにはリスクがありますから、私が企業家ならば最初は病院等と提携する形で参入することを考えます。そう考えると、病院側にとっても経営ノウハウと民間の資本を得ることができるという点で企業参入には大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。

それから、企業の営利性をもって企業参入を反対する正当な理由にはならないと思います。なぜなら、職員の給与を払いつつ、病院の機能を高めていくには適正な利潤を確保していく必要があり、ある程度の営利性を病院も追求していかなければならないからです。それに、営利企業が参入してきたとしても、営利主義だけで医療界の競争に勝てるとは思いません。それよりも、むしろ競争することで質と価格面での競争が起きてき、それが医療界をよりよい方向に進めていくのではないでしょうか。そちらを期待したいですね。(談)


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