民間保険について

保険会社の営業にお勤めO氏からいただきました

今後の民間保険について


1998.11.24着信

私は、保険会社の営業をしているものです。
ホームページを拝見させていただきました。
私は日本の財政や社会保障制度などを勉強しており、先生からの情報発信は大変勉強 になりました。
私自身年老いた親が居りますし、これからの医療、介護、年金などなど問題山積の現 状は、無関係とはとても思えません。私自身年をとっていくのですから。
そこで先生に御聞きしたいことがあります。私は今の保険の仕事を天職だと考えてお ります。そんな私がこれからの日本の医療や介護に役に立てる人間になる為には、どんな事が あるでしょうか?簡単に言えば、例えば病院経営において、先生が困っておられることなど御聞きできればと考えます。


1998.12.1発信

O様

いつもホームページにアクセスいただいてありがとうございます。
民間保険と病院について2点述べさせていただきます。

1. 在院日数の短縮化と入院保険給付

国の方針(というよりは、健康保険点数での誘導)にて、急性期病院の経営にとって、在院日数の短縮化は至上命令になっております。すなわち、入院料の逓減制があり、入院が2週間を超えるにしたがって、病院にとって看護料や、入院料が逓減されてくる制度となっています。ところが、生命保険における入院給付金は2週間以上から給付などといった縛りを持ったものが多く、患者側からすれば、より長く入院した方が有利となってしまいます。そこでの、病院側と、患者側のつばぜり合いが、純粋に医療の分野だけではなく、お金を介して行われてしまいます。

2. 自己負担増と民間保険

昨年秋からの健康保険における患者自己負担の増額に引き続き、今後更なる自己負担化が予想されております。当然患者の受診抑制は起こることでしょう。しかしながら、本当に「必要な医療」を求める患者も受診しにくくなってしまいます。確かに、「心配だから検査しろ」とか「かぜ薬は、薬局で買うよりも病院の方が安い」とかいう要望や欲望の医療の自己負担化はやむ得ないところがあるかもしれません。しかし、「必要な医療」に関してはなんらかの手だてが必要のように思います。そこで、出てくるのは健康保険の自己負担分に対する民間保険ではないでしょうか。

参照:医療経営Archives 医療保険改革と生保 −我田引水(?)の弁−


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