「船上のメリークリスマス」 Epilogue
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「そうですか・・・ジェフリーが日本に・・・ 彼にとって、よほどに忘れがたい光景だったのでしょうね」 隣の席に座る、と言うより、椅子の上に しゃがんだ青年は、俺の前に置かれたワゴンから お菓子だけを摘んでは口に放り込んでいる。 板チョコレートを銀紙まで食べそうな勢いで齧るLに、俺は自分の食事をとるのも忘れて見入ってしまった。 「そう言えば『Merry Christmas Mr.Lawrence』も日本人が作った曲ですね @さんも日本人・・・不思議な縁です」 PDAを操作してイースターエッグを呼び出したLは、シートに寄りかかった。 「貴方を巻き込んでしまいました」 膝を抱えて爪を噛む。 彼の言わんとする事は、分かるつもりだ。 「俺は正義を貫くためにFBIの捜査官になりました 俺は貴方を信じています 貴方の正義を・・・」 親指を口から離して俺を見上げる青年、その瞳を真っ直ぐ見つめ返して、俺は微笑んだ。 「@さん・・・」 「はい」 「桜が見たいです」 「はい?」 「今度、花見に連れて行ってください」 「えっ?! あの、Lって普通に外出とかするんですか?」 「しますよ、普通に そうですね・・・夜桜がいいです 連れて行ってください!」 「わ、分かりました」 「ふふ・・楽しみですね それではワタリ、手配をお願いします」 「承知いたしました」 「あっ! 貴方がワタリさんですか・・」 Fin.