作用・反作用

操作法と解説

 2つの球が,つるまきばねで結ばれて振動しています。このとき2つの球は,お互いに押したり引いたりする力(赤と青のベクトル)をおよぼしあっています。それらの力は,どちらか一方を「作用」の力とすれば,他方を「反作用」の力と呼びます。この2つの力のベクトルを観察すると,2力は強さがまったく同じで,同じ作用線上で逆向きであることに気づきます。このような2力を,作用・反作用の関係にある力と呼びます。
 それでは,マウスによって,好きな方の球をつかんで動かすようにしてみてください。仮想の手が現れ,球を引くことができます。引く力を表すベクトル(薄い紫または薄い青のベクトル)は仮想の手を動かすことによって向きと強さを変えることができるようになっています。ちょうど球につながれたゴムひもを引くような感覚です。その力と他の球から受ける力の合力(薄い緑のベクトル)の向きに加速度(薄い赤のベクトル)が生じます。引かれた球が動くことで,つるまきばねが伸び縮みし,他方の球に加わる力も変化していきます。
 ここで,2つの球が複雑に運動しても,作用・反作用の関係にある2力は,運動のようすに全く関係なく,同じ強さ,同じ作用線上,逆向きであることに注意してください。

 作用・反作用のこのような関係は。ニュートンの運動の3法則の3番目の法則「運動の第3法則」,別名「作用・反作用の法則」にまとめられています。これは,「ある物体が他の物体に力(作用)を加えれば,かならず,その物体は力を加えた他の物体から,同じ作用線上にあって逆向きで同じ大きさの力(反作用)を受ける」というものです。第1,第2法則が1つの物体についての法則だったのに対して,第3法則は2つの物体についての法則で,2つの物体がお互いに力をおよぼすときに自然界が行っているルールについて述べているものです。
 運動の3法則を用いると,いくつかの物体の間で力をおよぼし合うとき,それぞれの物体がどのように運動するかを計算で求めることができるようになります。

 これらの球の運動は,運動方程式を4次のRunge-Kutta方で数値的に解いて求めています。球の回転は無いとし,球同士の衝突や壁との衝突は弾性衝突として扱い,球は完全になめらかとしています。

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制作:加藤徳善

(2003.11.2)


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