Q:作文と小論文の違いは?
Q:まず最初に何を書いたらよいか。
Q:内容が大事か。表現が大事か。
Q:よく「論理的に書け」って言われるけど「論理的」ってどういうことですか。
Q:段落を分けずに、例えば800字の小論文を一段落で書いてもよいのですか。
Q:具体例がいつも長くなってしまいます。
Q:「です・ます」調で小論文を書いてはいけないのですか。
Q:小論文を書くのに時間がかかりすぎてしまうのですが。
Q:現役で合格した友達が「小論文はテクニックで書くもので、自分の意見を書いてはいけないものだ」と言うのですが本当ですか?
Q:『これからでる小論文』の効果的な使い方がありますか?
Q:社会人入試・推薦入試・AO入試などの対策はどうすればよいのですか?
Q:受験する学部によって、どんな本を読めばいいのですか?
Q:「どの学部でもよく出る問題」を教えて下さい。
Q:「添削会員」システムの上手な利用法を教えて下さい。
Q:映画学科や映像学科を受けたいのですが、どんな本を読めばいいのですか?
Q:慶應大SFCの大学院(政策・メディア研究科)を受験したいのですが、どのように勉強すればいいですか?
Q:2001年9月11日のテロは大きなショックでした。もし出題されたら、どう考えればよいのでしょう?
Q:私は添削会員になったのですが、試験まで時間的余裕がないので、一回に2、3年分の解答を送った方がいいのですか?
Q:国際基督教大(ICU)を受験したいのですが、特殊な「一般能力考査」があると聞いています。対策はないのでしょうか?
Q:2003年度の慶應義塾大学・商学部の小論文問題(問題2・3)に難しい論理や暗号の問題が出ています。どう対策したらいいですか?
Q:2003年度の東京大学・後期・「総合科目1」の3番に「ゲーデルの不完全性定理」という英文が出ました。日本語でも難しいのに英文ではさっぱりわかりません。
Q:法科大学院を受験したいのですが、どのように対策したらよいですか?
Q:新しい科学理論について知りたいのですが、どんな本を読んだらいいですか?
Q:国際基督教大を受験したいのですが、どのような本を読んだらいいですか?
Q:作文と小論文の違いは?
よく聞かれる疑問。一言で答えれば、「人柄を見るのが作文」「学力を見るのが小論 文」です。一般に作文は短い語句を与えて書かせるものが多く、小論文は長い課題文を 読ませ、その理解に基づいて書かせるものが多いのはそのためです。言い換えれば、小 論文は「知識・理解・表現」について、受験生の力を実践的に調べる入試方法なのです。 ただし、「作文」「小論文」を名乗っていても実際は逆の場合もありますから、過去問 などで内容を確かめる必要があります。
初歩から小論文の練習をする場合は、「私の高校生活」のような、短いテーマについ て書く作文型の問題練習がよいでしょう。特に推薦入試などでは「私の尊敬する人」「 私の愛読書」など、出題も限られてきますから、「よく出るテーマ」について書いてみ ることがそのまま受験対策になります。
指導する側の先生に多い悩みです。結論を先に言えば、「内容」と「表現」はどちら も大切であり、この二つのバランスが取れなければ合格答案にはならないということで す。内容については「論理」が重要であり、表現については「正確な日本語」が重要な のです。「先生のための小論文指導法」のコーナーに、より詳しい説明があります。
Q:よく「論理的に書け」って言われるけど「論理的」ってどういうことですか。
この疑問をもっている受験生は多いと思います。「論理的に書く」というのは次のよ うに考えればよいでしょう。
・理由と結論の結びつきが正しいこと。(だれが読んでも理解できること。)
・「議論」(自分の意見と対立する意見への反論)がしっかり書かれていること。
・具体的な出来事の原因について、学問的に根拠のある理論的な考察があること。(入 門書などを読んでおかなければ書けません。)
・歴史や政治経済などの視点から問題を分析していること。(『知恵蔵』などの説明を 参考にするとよいでしょう。)以上のような点に配慮のある小論文が「論理的」と評価されるのです。
Q:段落を分けずに、例えば800字の小論文を一段落で書いてもよいのですか。
設問の中には構成の「ポイント」が必ず示されています。(例えば、ある問題につい て賛成・反対の意見を述べよという問題なら、自分の意見とともに対立する意見への反 論を書かなければなりません。すると、「自分の意見」と「反論」という二つのポイン トが必要になるわけです。)このポイントを元にして段落構成をしなければなりません。 段落分けのない文章は、本番の入試では採点の対象になりません。
小論文の「制限字数」は多くても1200字程度です。具体例を長く書きすぎると、 自分の考えを説明した部分がどうしても短くなってしまいます。具体例は長くても全体 の四分の一程度の分量にとどめましょう。(つまり、1200字なら300字程度とい うこと。)
普通、小論文は「常体」と言われる「だ・である」調で書きます。(要するに、新聞 記事の言葉づかいです。)「手紙を書きなさい」という問題なら「敬体」(「です・ま す」調)で書いてもよいのですが、それ以外の小論文では常体で書きましょう。
これは多くの受験生に共通する悩みでしょうね。小論文を時間内に書けない人は、次 の点に注意して練習してみましょう。「小論文を書いているとき、どうしても主題とは 違う方面にずれていってしまう。」というような人にもおすすめの練習法です。
1 下書きをする時に自分なりの結論を中心にして考える。
序論から始めてあれこれ考えながら結論に達する、という方法では時間が足りなくな ってしまいます。そこで「自分の導き出したい結論」を先に考え、それに結びつきやす い「根拠」、納得できる「具体例」を後から積み重ねるのです。この方法なら「結論が 全体の論旨から外れてしまった」という失敗はなくなります。
2 課題文を要約して文章の構造を真似てみる。
もちろんこの場合、でき上がった小論文が課題文の単なる「なぞり」になってしまっ てはかえって逆効果ですが、内容さえ自分のオリジナルになっていれば「構成」はしっ かりしたものができます。一般に、文章を練習する第一歩は「真似」なのです。「他人 と違う、採点者をびっくりさせるような小論文を書いて目立とう」と考えるのは誤りで す。自分が読んでみてわかりやすかった文章の内容・構成・表現を真似てみれば、それ がなぜ「よい文章」なのかが理解できるでしょう。
Q:現役で合格した友達が「小論文はテクニックで書くもので、自分の意見を書いてはい けないものだ」と言うのですが本当ですか?
変な質問ですが、時々浪人生から出る質問です。 論理的に考えてみましょう。
仮定:もし合格したいなら、小論文に自分の意見を書いてはならない。
1:小論文に自分の意見を書くならば、合格できない。(仮定の対偶)
これに対して
2:もし合格したいなら、小論文には自分の意見を書かなければならない。
2は「解答速報」の設問などから明らか。
3:もし合格したいなら、合格できない。(2と1より、連鎖推論)
3は矛盾を含む結論である。よって、仮定が間違っていた。(証明終わり)このように、大学が2を求めている以上(2が真である限り)、仮定は間違いです。 では、なぜ、こんな妙な質問が生まれるのでしょうか。原因を推定してみましょう。
1 その「友達」に自分の意見がない。→つまり、友達が「テクニック」と言っている のは、実は私が「現代の文化と社会」のページで紹介しているような「学問的な見解」 のことであり、友達は社会問題に関する知識がなかったので、本などから吸収した知識 を「テクニック」と呼んでいるのでは。もしそうなら、これは「受験テクニック」でも 何でもない、立派な小論文の学習だと言えますね。
2 質問者が「自分の意見」を書いたから不合格になったと思い込んでいる。→小論文 は日本語なので、英語などと比べて「自分はここができなかった」と自覚しにくいので す。(サイバーゼミ第一講の課題文参照)実は表現や構成がなっていないのに、自分の 意見を書いたせいだと思い込むのは、心理的には一種の自己防衛(自分は悪くないとい う補償作用)だと思われます。このような人は、本当は英語ができなかったから落ちた のに、「小論文のせいだ」と決めつけるような傾向があります。
3 質問者が勉強したくないので、「丸暗記のような”テクニック”で切り抜けたい」 と思っている。→これもよくあることなのです。この手の人は、私のところへ「質問」 に来ても、よく聞いてみると「大学受験がいやで仕方がない」という気持ちを慰めても らおうとしていることがあります。「友達は勉強していないのに合格したんです」とか 「友達がこの参考書がいいって言うんです(もちろん『スーパー小論文』ではない)」 などというのも同じ。こういう人には「あなたは”友達”とは違う人格でしょう?」と 言うほかありません。もしも結果が悪かったら、今度は「友達が悪いんだ」と言うので しょうね。
あなたはこんな症状に陥っていませんか?
受験生の経験や志望校によって必要になる小論文のレベルも変わってきます。そこで 受験生のタイプ別に参考書の利用法を教えましょう。
・知識がなくて苦労している人。
本当は「小論文初心者のページ」に挙げてあるような「新書」の本を何冊か読むと、 最低限の知識は身につくはずなのです。しかし、小論文の初心者ほど、本を読んだ経験 も少ないのが現実です。
こうした「私は自慢じゃないが知識はない」という人は、『小論文と模範答案』『スーパー小論文』の課題文と解説を、全部読んでしまうといいですね。つまり、「読み物」として参考書を利用するわけです。普通は「参考書を読む」なんて、とてもつまらないことです。しかし、私の参考書はだれもが考えておくべき重要な問題にわかりやすい解説をつけた本ですから、知識のあまりない人でも「な〜るほど、そうだったのか!」と問題が理解できますよ。書くのはそれからでも遅くありません。・論文らしい書き方ができなくて困っている人。
基礎からワンランクアップした段階の人は、大学の先生に評価される論文の形式を学 ぶとよいでしょう。そういう時は『これからでる小論文』を利用しましょう。一つ一つ のポイントを確認しながら、解説を読んでみて下さい。それが納得できたら、「解答例」 を見ましょう。解答例の「組み立て方」は解説に詳しく書いてあります。「組み立て方」 から、実際に解答ができあがっていく過程を追ってみましょう。
それができたら、自分なりに「解答例」を書き直してみましょう。既に自分の解答が できているなら、「解答例」の形式と内容を真似て、自分の答案を「解答例」の文章に 近づけてみましょう。まだ解答を書いていないなら、「解答例」そのものを自分流に直 してごらんなさい。ただし、「だ・である」の形式を「です・ます」に直してしまって はいけませんよ。あくまで「論文」であることだけは忘れないで。それさえできれば、 次第に「論文らしさ」が身についてきます。・志望校の問題がハイレベルなので不安な人。
はっきり言って、これまではハイレベルを目指す人のための参考書はありませんでし た。どういうことかと言うと、問題・解答例・解説がどれもあまり学問的でなく、世間 の常識のレベルにとどまった参考書がほとんどだったのです。
『これからでる小論文』は、その点に力を入れました。ハイレベルな問題を出題する 大学を受験する人は、まず、その大学の過去問にどのようなテーマが出題されているか を調べましょう。必ず、毎年の傾向があるはずです。(中には、毎年異なったテーマを 出す大学もある。)次に、「用語索引」(207、208ページ)で、よく出る傾向を 表わす言葉を探します。その言葉が解説されている問題が、あなたが優先的に取り組む べき問題です。また、毎年異なったテーマを出す学校の場合は、『これからでる小論文』 の19テーマすべてについて、一通り答えを書いておけばよいでしょう。もちろん、ハ イレベル校にチャレンジする人も、この本を「読み物」として読んでかまいません。そ の際、「用語索引」の用語と用語の関連性を考えながら読むと、どんな問題が出ても、 必ずいずれかの「でるテーマ」につながることがわかります。これでハイレベル校もこ わくない!!Q:社会人入試・推薦入試など、秋に行われる入試の対策はどうすればよいのですか?
これは夏休み前に増える質問です。入試の種類は様々ですが、三ヶ月程度しか時間的余裕がない場合の対策を述べましょう。
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- 推薦入試を受ける現役の高三生
まず過去の問題を調べましょう。それが「私の高校生活」のようなものなら、夏休みの間に、次のテーマについて800字くらいで答案を作っておきましょう。
- 「私の高校生活」…どんなことに頑張ったかを書く。「皆勤賞」などは内申書を見ればわかるので、わざわざ書く必要はありません。学校内での活動と学校外での活動を分けて書き、どちらも自分を成長させたことをアピールします。それが大学の志望理由につながればなおよいですね。
- 「尊敬する人」…自分の尊敬する人を書く。「両親」は親がユニークな人の場合は効果がありますが、そうでないと他の受験生と差がつかなくなってしまいます。できれば、伝記を読んで詳しく知っている歴史的有名人がよいでしょう。思いつかない場合は、夏休み中に自分の志望する分野の著名人を調べ、その人を書きましょう。
- 「私の愛読書」…普通は「マンガ」はだめです。「初心者のページ」や「先生のための小論文指導法」に載せてある「読書リスト」にあるような本を取り上げるのがよいのです。「童話」や「絵本」を挙げる人もいますが、あまり低年齢向けの本は「幼稚」と思われます。愛読書がない人は、「読書リスト」の中から選んで、今から「愛読書」にしましょう。
- 「感動した体験」…留学経験などのある人は「異文化との出会いで学んだこと」を書くとよい。留学していなくとも「旅で出会った出来事」「アルバイトから得た金銭より大切なもの」「ボランティアで学んだこと」など、やはり自分を成長させた体験を書きましょう。どうしてもそれらがなければ、「本を読んで感動した体験」でもいいですよ。(上の応用。)
- 「大学の志望理由」…自分の体験や読書経験を入れて書く。「テレビで見て興味をもった。」などはあまり評価されません。たとえテレビが志望のきっかけでも、「その後入門書を読んで勉強した」などの「主体的に学ぶ姿勢」をアピールしたいですね。将来の進路希望と結び付けると、一層印象がよくなります。
- これらの添削には添削会員サービスを利用して下さい。
- 慶応SFCなどのAO入試(自己推薦入試)を受ける現役・浪人生
- 自己推薦書…「売り」を何にするかがポイント。成績のいい人・スポーツで記録を持っている人は、それだけで「売り」になります。
しかし、「売り」のない人は、自分で作らなくてはいけません。例えば、パソコンが使えるなら、自分で作った「プログラム」を提出するのもよいでしょう。「海外体験」などは今からでは間に合いませんが、「プログラム」なら夏休みに作れます。(夏休みに海外に行ける人はそれを資料に!)勉強・スポーツで勝負できない人は、「証拠物件」を提出して評価してもらうことが大切です。
- 志望理由書…前項で述べたように書けばよいのですが、SFCなどは2000字程度の分量が必要で、「大学で研究、解決したい問題」を相当詳しく書かなければなりません。「問題発見・問題解決型の人材」を求めている大学だからこそ、「他人とは違った視点」「自分で調査する能力」「わかりやすく、説得力のあるプレゼンテーションの能力」が重視されるのです。したがって、これらを踏まえた内容・構成が必要です。
- これらの全てをまとめてサポートする『 AO入試・トータルプロデュース・コース』を新設しました。例えば慶応SFCでは8月末と10月中旬に「来年4月入学」のAO入試出願があります。現役生・浪人生は2ヶ月程度前から準備すれば十分対応できます!この入試機会を生かしましょう!
- 社会人入試・学士入学を目指す人
これらは過去問が公開されていないことも多く、まず情報集めに苦労します。しかし、対策のしかたは一般の推薦入試、あるいは小論文の試験と同じです。情報はこのページへのアクセスで集めましょう。わからないことはメールで相談して下さい。
仕事を続けながら受験する人には、効率のよい勉強法が必要です。具体的には、「解答例を自分らしく書き直す」練習を中心にするとよいでしょう。「長い間文章を書いていない」という人ほど、「見本をまねる」練習が効果的です。「見本」にはこのサイトの解答例、『スーパー小論文』『これからでる小論文』の解答例を使うといいでしょう。受験する分野に近いテーマのものを選んで練習してください。
- これらの添削には添削会員サービスを利用して下さい。
- 社会人受験生には時々「思いついて受験し、一度だめだとあきらめてしまう」人がいます。確かに、社会人が入試勉強をするのはとにかく大変です。しかし、だからこそ「なるべく早目に準備する」「失敗を恐れず、何度か受けてみる」ことが大切なのだと思います。このページの「OB・OG」で社会人入試に合格した人は、そうした「粘り」を持っていた人であると言えます。初志を貫いて頑張ってください。
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- 次に挙げるのは受験学部別の読書リストです。
*注…(岩)は岩波新書、(中)は中公新書。
〈経済の現状→政治・経済・総合政策・環境情報・国際関係・人間科学・工・農・教育〉
- 世界経済入門 西川潤(岩)…コンパクトにまとめられた世界経済の大きな流れの解説。
- 地球環境報告 石弘之(岩)…環境破壊の現状とその原因。
〈社会の変化→政治・経済・法・総合政策・国際関係・社会・外国語・人間科学・社会 福祉・教育・医・看護〉
- 高齢化社会の設計 古川俊之(中)…これからの日本を予測し、対策を考える。
- 労働力移動の時代 手塚和彰(中)…国際化を労働力から考える。
〈法律と今日の問題→法・政治・総合政策・教育・社会福祉〉
- 憲法講話 宮沢俊義(岩)…憲法論議が盛んな今だからこそ憲法の原点に戻って考える。
- 結婚と家族 福島瑞穂(岩)…実例に即して身近な法律問題と新しい家族像を紹介する。
〈社会科学の基礎づけ→文・政治・法・社会・総合政策・教育〉
- 歴史とは何か E.H.カー(岩)…何のために歴史を研究するのか。その意味を問う。
- 日本の思想 丸山真男(岩)…西洋化した日本の変化した部分としなかった部分の探求。
〈科学と人間→医・看護・理・工・社会福祉・文・教育〉
- 人間にとって科学とはなにか 湯川秀樹・梅棹忠夫(中)…文化の中の科学の位置付け。
- インフォームド・コンセント 水野肇(中)…医師と患者の関係はいかにあるべきか。
〈異文化との交流→文・外国語・国際関係・環境情報・社会・教育〉
- ことばと文化 鈴木孝夫(岩)…ことばを通じて自らの文化を相対化する。
- 文化人類学入門 祖父江孝男(中)…異文化といかに接し、何を学びとるか。
〈現代の思想→文・環境情報・人間科学・社会・芸術〉
- 記号論への招待 池上嘉彦(岩)…新しい角度から社会や意識の世界を見直す。
- 術語集 中村雄二郎(岩)…現代思想の諸問題をまとめて解説。
〈現代人の心理→文・社会・環境情報・人間科学・医・看護・社会福祉〉
- 日本的自我 南博(岩)…欧米の社会と比べて際立つ日本社会の特徴とは何か。
- コンプレックス 河合隼雄(岩)…我々の心の隠された構造を考える。
〈情報社会と人間疎外→文・環境情報・社会・人間科学・医・看護・社会福祉・教育〉
- 情報行動 加藤秀俊(中)…情報化社会の中で人間の生活と考え方はどう変わったか。
- 豊かさの精神病理 大平健(岩)…モノにあふれた現代社会の意外な貧しさ。
〈芸術の意味→文・芸術・教育〉
- 新しい文学のために 大江健三郎(岩)…文学は人間の生き方といかに関わるか。
- 名画を見る眼 高階秀爾(岩)…絵の見方がよくわかる、美術史入門。
〈教育の諸問題→教育・文・社会福祉・法・医・看護〉
- 自由を子どもに 松田道雄(岩)…子どもを一人の人間として尊重する考え方。
- 教育とは何かを問いつづけて 大田尭(岩)…教育の諸問題をまとめる。
☆小論文「共通問題」出題テーマ
【目次に戻る】〈政治〉
- 世界情勢と関連づけながら、これからの日本の進むべき方向について、あなたの意見 を述べなさい。
- 「政治に対する国民の参加のしやすさ」と「政治参加を阻む要因」について、あなた の考えを述べなさい。
- 日本は現在、世界中から「国際貢献」を求められているが、望ましい「国際貢献」の あり方について、意見を述べなさい。
- 大きな連邦国家が崩壊した後で民族紛争が激しくなっている。民族紛争はなぜ起こる のか、また、解決の道が果してあるのか、という二点についてあなたの考えを述べなさい。
- 「前世代の戦争責任を次の世代が受け継ぐべきだ」という考え方に対して、肯定する 立場と否定する立場がある。あなたはどちらの立場に立つか、対立する立場からの反論 を想定しながら論じなさい。
- 「環境権」や「知る権利」など、「権利」についての新しい考え方と、法の役割につ いて述べなさい。
〈経済〉
- 現在の日本は、さまざまな「貿易摩擦」の問題にさらされている。貿易の「障壁」と 考えられる要素を取り上げ、その解決法も含めて論じなさい。
- 「人口増加」や「人口移動」などの人口問題が経済に与える影響について、国内的問 題と国際的問題に分けて論じなさい。
- 環境保全と経済成長の両立はなぜ難しいのか。発展途上国と先進国の関係を考慮しな がら論じなさい。
- 日本人の「働き過ぎ」は今や国際問題にもなっている。「働き過ぎ」がなぜ問題なの か、できるだけ多くの側面から考察しなさい。
〈文化〉
- 異文化理解の難しさとは何か。自分の体験、または読書経験などを元にして論じなさ い。
- 「男は仕事」「女は家庭」という性別役割分担の考え方について、日本の社会を分析 しながら、あなたの意見を述べなさい。
- 人口構成の高齢化による社会への影響とその対策について、あなたの考えを述べなさい。
- 人工知能の研究が進むにつれ、コンピュータと人間の類似点と相違点が次第に明らか になってきた。こうした問題を踏まえて、「人間らしさ」とは何かを論じなさい。
〈科学〉
- 現代の高度消費社会では、資源・エネルギーの不足と廃棄物の増加が共に問題となっ ている。あなたの専攻しようとする学問分野では、これに対してどのような対策が考え られるか。具体的に述べなさい。
- 現在、問題となっている環境破壊の実例を挙げ、それがいかにして起こるかを説明し なさい。必要に応じて図や式を用いてよい。
- 科学技術と人間の関わりが今、問い直されている。どのような点が、なぜ問題なのか、 具体例を挙げて考察し、今後の科学技術の向かうべき方向について論じなさい。
- 「脳死」をヒトの死とするかどうかについては、推進派と慎重派が対立している。両 者の意見を要約した上で、あなたの考えを述べなさい。
- 医療の場における医師と患者の望ましい関係について述べなさい。
【目次に戻る】
- 参考書の問題の中から受験学部に合った問題を選んで、自分にぴったりの練習をする。
『平尾の小論文入門ゼミ(テープ、CD)』『小論文と模範答案』『スーパー小論文』(基礎練習)あるいは『これからでる小論文』(難関大対策)の問題に答え、それを添削してもらいます。参考書の内容は全部読んで理解する必要がありますが、実際に解答する問題は必要最小限でいいでしょう。どの問題を優先すべきかは志望大学・学部によって違いますから、相談して下さい。
- 自分が受ける大学の過去問に答え、レベルを判定してもらう。
受験する大学の過去問に答えて、問題と解答を送り、どこを直せば合格するか見てもらう方法です。変わった問題を出題する大学の場合、特に有効です。
- 推薦入試・社会人入試・就職試験などの対策をする。
過去問がわかっていればその解答を書きます。しかし、問題が公表されていない場合は、このページで紹介している「よく出る問題」「出る可能性の高い問題」で練習するとよいでしょう。
- AO(自己推薦)入試の対策をする。
AO入試といえば慶應大の環境情報・総合政策学部が有名ですが、今は多くの大学がAO入試を採用しています。このページにもあるように、AO入試は自分にどんな「売り物」があるかで決まります。早く(夏休み前)から準備をして、アピールできる実績・作品を作らなければなりません。そうした「売り物」や「志望理由書」は一度では完成しません。何度も書き直しができる添削会員システムは、そうした対策にぴったりです。
- 実際に会って添削してもらう。
JR高田馬場駅から徒歩2分の事務所で添削を受けることができます。時間の打ち合わせが必要ですので、希望される方はメールでご連絡下さい。
地方の方でも、人数がある程度集まり、交通費などの実費を負担して頂けるのでしたら、出張は可能です。これもご相談下さい。
- 特定のテーマについて説明・講義してもらう。
小論文の添削ではなくても、特定のテーマ(受験だけではなく、哲学など専門領域の話題でもOK)について質問し、話を聞きたいという場合、事務所で講義可能です。詳しいことはご相談下さい。
Q:映画学科や映像学科を受けたいのですが、どんな本を読めばいいのですか?
「映画が好き」「映画を撮りたい」という気持ちだけでは日芸の映画や武蔵美の映像には受かりません。「映像をどう見るか」「見る側に感動を与えるために、どのような理論や技術が必要か」を知らなければなりません。それを学ぶために次の二つの本を推薦します。
【目次に戻る】
- 『映画の教科書』−どのように映画を読むか−
ジェイムズ・モナコ(岩本憲児ほか訳)
フィルム・アート社 本体3500円
- 『映像編集の秘訣』
日本映画・テレビ編集協会編
玄光社(玄光社MOOK11) 本体2000円
Q:慶應大SFCの大学院(政策・メディア研究科)を受験したいのですが、どのように勉強すればいいですか?
【目次に戻る】
- SFCの大学院の出題は学部(環境情報・総合政策)の出題とほとんど同じです。(英文資料が一題入ったり、解答時間が短いだけ。)従って、私のSFCゼミ(代ゼミの講義、または通信添削コース)で勉強すれば充分な対策ができます。
- 入試では研究計画書がとりわけ大切ですから、添削会員制度を利用して完璧な計画書を作って下さい。
Q:2001年9月11日のテロは大きなショックでした。もし出題されたら、どう考えればよいのでしょう?
【目次に戻る】
- アメリカ同時多発テロ事件対しては「現代の文化と社会」の【異文化理解の可能性】を読んで下さい。あのテロがなぜ起こったか、今後どのような対応が必要かが書かれています。この解答例は私が数年前に書いたものですが、この通り、テロの構造を説明しており、現在でも有効です。私の参考書の解答例も「いつでも通用する」ものとして活用して下さい。
Q:私は添削会員になったのですが、試験まで時間的余裕がないので、一回に2、3年分の解答を送った方がいいのですか?
【目次に戻る】
- それは一番、非効率的な練習の仕方です。なぜなら、小論文では「量より質」が大事だからです。つまり、次のように練習することで本当に実力がつくのです。
一年分の問題をやってみる。
↓
添削結果を検討する。
↓
悪いところを直して書き直す。
↓
答案完成。
↓
その経験を元に次の問題を解く。
↓
前回より的確な論文が書ける。
↓
添削結果を検討する。
↓
より高度な書き直し。
↓
答案完成。
↓
以下繰り返し。つまり、一度に多くの答案を書いても、同じ欠点を指摘されるだけなので効果はないのです。「それでは頻出問題を全部やる時間がない」という人は、『これからでる小論文』を読み物として読んで下さい。問題をやらなくてもいいですから、話の内容だけ読むのです。『これからでる小論文』の内容が実際によく出ているので、効果がありますよ!!
Q:国際基督教大(ICU)を受験したいのですが、特殊な「一般能力考査」があると聞いています。対策はないのでしょうか?
【目次に戻る】
- 「一般能力考査」は論理的思考力のテストです。だれでも練習すれば合格できます。私の『図解 論理学のことが面白いほどわかる本』(本体価格:1200円:中経出版)を読んで下さい。その上で公務員試験問題集『判断推理』『空間図形』(出版社はどこでもよい。)などで練習すればよいでしょう。
- この度、「ICU・一般能力・ブロードバンドゼミ」を新設しました。自宅で一般能力対策の講義を受けることができます。詳しくはこちらをごらん下さい。
Q:2003年度の慶應義塾大学・商学部の小論文問題(問題2・3)に難しい論理や暗号の問題が出ています。どう対策したらいいですか?
【目次に戻る】
- 『図解 論理学のことが面白いほどわかる本』(本体価格:1200円:中経出版)にちゃんと解き方が出ています。問題2は第5章と第6章、問題3は第7章を参照して下さい。
- さらに『図解雑学 論理学』(本体価格:1400円:ナツメ社)にはコンピュータの原理が詳しく書かれています。こちらも参考になります。
Q:2003年度の東京大学・後期・「総合科目1」の3番に「ゲーデルの不完全性定理」という英文が出ました。日本語でも難しいのに英文ではさっぱりわかりません。
【目次に戻る】
- これも『図解 論理学のことが面白いほどわかる本』(本体価格:1200円:中経出版)に出ています。第7章を読んで下さい。ちなみに、2003年の「東大後期小論文対策セミナー」(文3対策)では、内容的には同じ「自己言及のパラドクス」をテーマにした問題を扱いました。毎年3月始めにセミナーを行いますので、講習会のスケジュールに注意して下さい。(サテラインで中継されます。)
Q:法科大学院を受験したいのですが、どのように対策したらよいですか?
【目次に戻る】
- まず、適性試験対策には『図解 論理学のことが面白いほどわかる本』(本体価格:1200円:中経出版)がぴったりです。志望理由書・自己推薦書の添削には添削会員のシステムを利用して下さい。
Q:新しい科学理論について知りたいのですが、どんな本を読んだらいいですか?
【書名をコピー&ペーストすればこちらから直接買えます】
- 以下の文献リストは、2001年度基礎デザイン学会での基本文献選定作業のために私が作成したものです。読書の参考に利用して下さい。(学会全体の文献リストは基礎デザイン学会のホームページにあります。)
T.W.グレイ,J.グリン、『Mathematica 数学の探索』、時田 節, 藤村行俊 訳、1994、トッパン
コンピュータによって、演繹的な記号体系としての数学がいかにビジュアル的に面白くなるかということを見せてくれる。CD−ROMが二枚ついており、マセマティカを持っていなくてもプログラムを実行することができる。中村健蔵、『Mathematica で絵を描こう』、1998、東京電機大学出版局
マセマティカを「お絵かきソフト」として捉え、伝統工芸の文様からエッシャーの作品まで、様々な意匠の描画原理を実践的に探る。CD−ROMつき。渡辺正雄 編著、『ケプラーと世界の調和』、1991、共立出版
近代的な宇宙観はケプラーやニュートンによって確立されたが、彼らの思想が本来持っていたスケールの大きさは忘れられている。ケプラーが音楽的な調和を理想としていたことをわかりやすく解説し、アーティスティックな宇宙像をよみがえらせてくれる。藤田晢也、『心を生んだ脳の38億年』、1997、岩波書店
「脳」は人間の「内なる自然」の中でも最後の秘境である。しかし、生命の歴史の中で「生き残る」ために脳がいかにデザインされたかを見ると、そこに造形的な整合性や美を見出すことができる。伏見康治 [ほか]、『美の幾何学 : 天のたくらみ,人のたくらみ』、1979、中央公論社
古くから知られている作図法には、すべて幾何学的な造形原理がある。対称・変形・プロポーションなど、デザインの基礎と幾何・数理の関係がわかりやすく解説されている。G・ベーメ編、『われわれは「自然」をどう考えてきたか』、伊坂・長島監訳、1998、どうぶつ社
「自然哲学の古典」という原題の通り、哲学史を「自然観」の視点から捉え直した本。ありきたりの哲学史と違って、一人の思想家についての解説を一人の研究者が担当し、論争的な問題提起も行っている。全体を通して読むと、古代から現代までの思想家たちのだれもが「世界イメージ」を持っており、その共通点と相違点が「思想のデザイン」を形作っていることがわかって興味深い。山口昌哉、『カオスとフラクタル : 非線形の不思議』、1986、講談社
コンピュータ科学が生み出した新しいイメージのうちでも、カオスとフラクタルほど造形の世界に衝撃を与えたものはないだろう。その理論的起源は19世紀に遡るが、その重要性が明らかになったのは20世紀後半である。「自然」の捉え方としてのカオスとフラクタルがわかりやすく解説されている。科学シミュレーション研究会、『パソコンで見る複雑系・カオス・量子 : シミュレーションで一目瞭然』、1997、講談社
「百聞は一見に如かず」とは、ディジタル・イメージングのためにあるような言葉である。複雑系やカオス、量子力学の確率論的世界などは難解であるが、動く画像にすれば見ていて面白く、しかも美しい。ダグラス・R.ホフスタッター、『ゲーデル,エッシャー,バッハ : あるいは不思議の環』、 野崎昭弘 [ほか]訳、1985、白揚社
ゲーデルの不完全性定理は非常に有名だが、同時に並はずれて難解である。しかし、それを「新しいものの見方」と考えれば、数学基礎論・論理学の理論と芸術作品に見られる秩序の間に共通性を見出すことができる。大著だが図版が多く、様々な見方・読み方が可能な本である。I.プリゴジン,I.スタンジェール、『混沌からの秩序』、伏見康治 [ほか]訳、1987、みすず書房
「不可逆性」という観点から「自然の秩序」を見直すと、自然は死んだ物体ではなく、常に運動し、変化に富んだ有機体であることがわかる。西洋近代合理主義に基づく近代科学は、例えば東洋の伝統思想とは遠く離れたものであった。しかし、有機体やプロセスを自然の基本的なあり方と考えれば、東洋の思想と現代の科学がクロスオーバーして見えてくる。長尾真、『人工知能と人間』、1992、岩波書店
以前はSFの世界の存在であったロボットが、様々な形で現実化し、身近なものになってきた。その理論は多方面の学際的な研究から成り立っているが、人工知能研究の第一人者がそれを概観してまとめたのが本書である。人工知能を考えることは、実は人間そのものを考えることであると教えられる。アインシュタイン,インフェルト、『物理学はいかに創られたか : 初期の観念から相対性理論及び量子論への思想の発展』(上下巻) 、石原純 訳、1963、岩波書店
アインシュタイン自身が、相対性理論の意味について専門家以外にわかりやすく説明している本。数式を用いず、身近な事象を例にして自然像・世界像の革命について語っている。やや古い本であるが、ヴィジュアルな説明の仕方はすこしも古くなっていない。吉仲正和、『力学的世界の創造: ガリレイ・デカルト・ニュートン』、1979、中央公論社
「近代科学」と一口に言うが、一体何が「近代的」なのかを知らない人は多い。この本で著者は、「力学的世界像」がどのようにして生まれたかを、文化的背景にまで目を配りながら考察している。科学もまた一つの文化であることを再認識させられる本。Q:国際基督教大を受験したいのですが、どのような本を読んだらいいですか?
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- 〔岩波新書〕
1.ギリシア神話(高津春繁)
2.ギリシア哲学と現代(藤沢令夫)
3.イエスとその時代(荒井献)
4.聖書入門(小塩力)
5.実存主義(松浪信三郎)
6.術語集(中村雄二郎)
7.歴史とは何か(E.H.カー)
8.名画を見る眼(高階秀爾)
9.続・名画を見る眼(同)
- 〔中公新書〕
1.人間にとって科学とは何か(湯川秀樹・梅棹忠夫)
2.ピューリタン(大木英夫)
- 〔レグルス文庫〕(第三文明社)
1.科学・哲学・信仰(村上陽一郎)