バックアップ
大切なメールデータをいつまでも…。
OE5版バックアップは簡単にできます。
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はじめに
OE4版バックアップで取り扱った何種類かのバックアップ&リストア手法を、今回は一辺にここで扱います。
このページで「簡単」・「高度」・「効率」という手法に分けて解説します。
それぞれOE4版のバックアップ編 3・2・1 に対応した方法です。
バックアップとは現在のメールデータのファイルを、MOやZipなどの別のメディアに保存しておくことをいいます。
で、万が一パソコンのメールデータが失われたときなどに、メールデータを復活させるためにリストアという作業をします。
メールデータについて
OEのメールデータは、個人用のフォルダに保存されます。拡張子が *.dbx というファイルを検索すれば分かると思います。
メールデータは以下のいずれかの場所に存在します。
C:\Program Files\Outlook Express\[ユーザー名]\
C:\WINDOWS\Application Data\Microsoft\Outlook Express\[ユーザー名]\
C:\WINDOWS\Profiles\[ユーザー名]\Application Data\Microsoft\Outlook Express\
C:ドライブにWindowsのフォルダが存在することを前提にしています。
レジストリーの
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Outlook Express\Store Root
に現在のユーザーのメールデータの格納場所が記されています。
OEのメニューの[ツール]→[オプション]をクリックし、
[メンテナンス]タブを開き[保存フォルダ]ボタンをクリックすれば、メールデータの格納場所を確認できます。
テキストボックスをはみ出すほど長いはずなので、スクロールして末尾までちゃんと確認してください。
もしC:ドライブの空き容量が少ないから、D:ドライブに移動したい…という人は、
OEを終了した状態で、メールデータのすべてのファイルを移動先のドライブに移動し、
このレジストリーの値を、移動先の場所(パス)に変更すればOKです。
簡単なバックアップ
メールを一件ずつのファイルに保存する方法です。
OE4版でも「続々・バックアップ」で紹介しましたが、
リストアの手順が飛躍的に簡単になりました。
これだけ簡単になったので、どんな人でも気軽にバックアップが行えるでしょう。
それにファイルサイズが小さいので、フロッピーディスクでも簡単にバックアップが可能です。
バックアップは、受信トレイだけでなく、送信済みアイテムなどにも行っておくと良いでしょう。
適当なフォルダを作成して、そこにファイルを保存するようにします。
- バックアップのためのフォルダを作成
例:「受信トレイ99年3月」
- OEでバックアップするメールを選択(反転表示)
- 選択したメールをドラッグして、作成したフォルダの上でドロップ
これだけです。件名がファイル名として保存されます。
2.でメールフォルダのすべてのメールを選択する場合は、OEのメニューの[編集]→[すべて選択]をクリックします。
件名が重複する場合は、同じファイル名になってしまうので、ちょっと工夫が必要になります。
たとえば件名がダブらないように、メールの件名の頭に日付(99.3.26や990326)を付けておいたり、
時期(1月・2月・3月・・・)や差出人によって、別のフォルダに分けて保存するようにすれば、ファイル名がダブる可能性が低くなります。
簡単なリストア
さぁ今度は保存しておいたファイルを復元する方法です。
パソコンをリカバリCD-ROMなどを使って、OS(WindowsやMac OS)を再インストールした場合は工場出荷時の状態になるので、
OEのメールデータもなくなってしまいます。
OEの初期設定(初期起動やアカウント設定)ができた状態でリストアを行いましょう。
バックアップしたファイルをOEに復元するフォルダへドラッグするだけでリストアができます。
- バックアップしたファイルのフォルダを開く
- ファイルを選択する
すべてのファイルを選択する場合は、メニューの[編集]→[すべてを選択]をクリック
- 選択したファイルをドラッグして、OEのメールフォルダ上でドロップ
受信トレイにリストアするなら、OEで受信トレイを表示しておく
これだけです。
高度なバックアップ
作業効率を考えた場合、上記の簡単版バックアップは決して楽な手順ではありません。
高度版バックアップは、OEのメールデータ全体をバックアップする手法です。
主にWindowsの再インストールやリカバリを行うときに必要な作業でしょう。
上述のメールデータの場所には、拡張子が *.dbx というファイルがいくつか存在します。
少なくとも以下の六つのファイルが見つかるはずです(これをフォルダファイルと呼ぶ)。カッコの中は対応するメールフォルダの名前です。
- 受信トレイ.dbx (受信トレイ)
- 送信トレイ.dbx (送信トレイ)
- 送信済みアイテム.dbx (送信済みアイテム)
- 削除済みアイテム.dbx (削除済みアイテム)
- 下書き.dbx (下書き)
- Folder.dbx (ローカルフォルダ)
このほかにも、自分でメールフォルダを作成した場合は、そのメールフォルダに対応するデータファイルが存在します。
これらすべてのファイルを別のハードディスクやリムーバブルメディア(MOやZip)にコピーすれば、OE全体のメールデータをバックアップできます。
なお、コピー作業を行うときは、OEをいったん終了してから行いましょう。メールデータがフォルダファイルに反映されない状態がありえるからです。
高度なリストア
Windowsの再インストール(*)やリストア作業を行うと、当然今までに送受信したメールも消えてしまいます。
再インストールやリカバリの作業前には、大切な文書ファイルなどと一緒にOEのメールデータもバックアップしておきましょう。
さて、バックアップしたメールデータを復元(リストア)するには、いったんOEの初期設定を済ませてから行います。
初回の起動時には、メールデータの格納場所などを設定するからです。
復元先の場所に付いては、これも上述のメールデータの場所に、バックアップしておいたメールデータをコピーします。
このときにもOEは終了しておきます。ふたたびOEを起動したときには、バックアップしておいたデータがすべて復元されます。
(*)ハードディスクのフォーマットを行う場合の再インストールです
効率的なバックアップ(特定のメールフォルダだけ)
OE5ではメールフォルダの名前に一致するファイル名で、フォルダファイルが作成されています。
特定のメールフォルダだけをバックアップすることもできます。
たとえば受信トレイだけをバックアップする場合は、受信トレイ.dbx だけをバックアップすれば良いのです。
もし重複する場合、たとえば 4月 というフォルダを受信トレイと送信済みアイテムの下に作成した場合、
後から作成したほうのフォルダファイルは 4月(1).dbx というファイル名になります。
つまりフォルダ名のあとに連番数字をカッコではさんだファイル名になるのです。
このフォルダファイルの理屈を踏まえておけば、特定のフォルダだけをバックアップすることは可能です。
なぜ特定のフォルダだけをバックアップするかは次の通りです。
マメにバックアップを行う場合、メールデータ全体をバックアップする場合、過去の古いデータほど重複する形でバックアップを行います。
データファイルのサイズや時間効率を考えた場合、すべてのデータをバックアップするのは効率的ではないと考えます。
筆者の場合、送受信したメールは各月ごとにメールフォルダを作成しています。
新しい月になるごとに、前の月のフォルダを作成(99年3月受信)して、受信トレイのメールをそのフォルダに移動します。
OEを終了して、メールデータが格納されているフォルダの、フォルダファイル(99年3月受信.dbx)をバックアップします。
これだけなら、メールデータすべてをバックアップする手順とはあまり違いがなく、特定のフォルダをバックアップする意味を持ちません。
OEでは、全体のメールデータの量が多くなると、パフォーマンスが低下する傾向があります(どんなアプリもそうだが)。
ならば過去の古いデータをOE上から削除すれば、パフォーマンス低下を避けることができます。
筆者の場合、1四半期前のデータを残して、それ以前のメールをOEから削除しています(メールデータのファイルを削除するのではない)。
実際には1四半期前のデータは、バックアップしてあるので、もし必要になったときはそのデータだけをリストア(復元)すれば良いのです。
OE上でフォルダごと削除すると、そのメールデータのファイルも削除されます。OE上で削除する前にちゃんとバックアップしておきます。
効率的なバックアップのリストア
というわけで、「昨年の12月だけ復元」というケースを想定してリストアするとします。
メールフォルダの名前は 98年12月受信 で、バックアップしておいたフォルダファイルは 98年12月受信.dbx とします。
OE上で、@復元するフォルダと同じ名前のフォルダを作成し、A作成したOEのフォルダを開きます。
こうしないと実際にフォルダファイルが作成されないからです。
フォルダファイル 98年12月受信.dbx が作成されたのを確認して、BOEをいったん終了します。
Cバックアップしておいた 98年12月受信.dbx をメールデータの格納場所にコピー(上書き)します。
D再びOEを起動して 98年12月受信 のフォルダを開けば、そのフォルダが復元されています。
アドレス帳のバックアップとリストア(99.7.17更新)
アドレス帳のデータファイルの場所は、アドレス帳を起動して、メニューの[ヘルプ]→[バージョン情報]です。
アドレス帳のプログラムのバージョン情報の下に、データファイルの場所が表示されます。
OEのデータファイルと同じく、長いのでテキストボックスを右にスクロールして末尾まで確認してください。
上記のデータファイルをコピーしてバックアップしてください。
リストアのときは、同じくデータファイルの場所を確認して、そこにバックアップしておいたファイルをコピーしてください。
もう一つの方法に、アドレス情報を一件ずつファイルにする方法があります。
アドレス帳を起動して、アドレス情報を選択してドラッグしてデスクトップやフォルダに移動すると、選択した情報を一つずつファイル(vCard形式)で保存します。
アドレス帳の一覧をすべて選択しておいて、バックアップを保存しておくフォルダにドラッグすれば、一気にバックアップできますね。
この方法では、一件ずつアドレス情報をリストアすることになります。
バックアップしておいたファイルをアドレス帳にドラッグ&ドロップすると、確認の情報が表示されるので[OK]をクリックするとアドレス帳に情報を追加されていきます。
(毎回[OK]をクリックするのは面倒ですね。)
この一件ずつ処理する方法は、すでに何件かの情報を持っているアドレス帳データと、
別のコンピュータのアドレス帳データを合体(マージ)させるのにも使えますね。
アカウント設定のバックアップとリストア(99.9.8追加)
OE5(からだと思います)には、メールアカウントなどをファイルに保存する機能があります。
パスワードの設定までは保存されませんが、その他のサーバー情報などを保存させることが出来ます。
パソコンのリストアや引越しなどのときには、メールデータやアドレス帳といっしょに、アカウント情報もバックアップしておきましょう。
バックアップは、OEのメニューの[ツール]→[アカウント]をクリックし[メール]タブを開きます。
一覧からバックアップするアカウントを選択して、右の[エクスポート]ボタンをクリックします。
保存先を指定して[保存]をクリックすれば、拡張子 .iaf というファイルが保存されます。
(このファイルはバイナリファイルで、テキスト形式ではありません。)
リストアするには、OEのメニューの[ツール]→[アカウント]をクリックします。
右の[インポート]ボタンをクリックし、バックアップしておいた .iaf ファイルを指定します。
パスワードが保存されていなければ、[プロパティ]をクリックしてパスワードを入力してください。
メッセージルールのバックアップとリストア(99.11.9更新)
OE5のメッセージルールの情報は、レジストリのIdentities項目に保存されています。
Identities項目は、IE5から導入されたマルチユーザーの情報を保存するための項目です。
以下のレジストリキーです。
\HKEY_CURRENT_USER\Identities\{…}\Software\Microsoft\Outlook Express\5.0\Rules\Mail\
{...}はOEのユーザーごとに違います。
レジストリエディタで見ると \HKEY_CURRENT_USER\Identities\ には、ユーザーの数だけ上記の{…}の項目があるはずです。
(… には xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx のような16進数の文字が並びます)
OEをマルチユーザーの環境で使用している場合は、{…}の項目を選択すると、右の Username の値にそのユーザーの名前が現れるので、それで識別が出来るでしょう。
メールのメッセージルールをバックアップするには、上記のレジストリキーを選択しておいて、
レジストリエディタのメニューの[レジストリ]→[レジストリ ファイルの書き出し]をクリックします。
ファイル名には「メッセージルール」などという名前を付けて保存してください。
リカバリーや再インストールをして、まったく新しい環境にメッセージルールの情報を復元するためには、
先に新しい環境での{…}の値を調べておきます。
- OEを起動して、初期設定を済ませておく(アカウント設定など)
- (上記のバックアップと同じ要領で)レジストリエディタでIdentities項目を開き、{…}の値を確認
(\HKEY_CURRENT_USER\Identities\)
- バックアップしておいたレジストリファイルを右クリック→[編集]をクリック
- メモ帳で開かれるので、そのファイルの中の{…}の値を、2.で調べた値に全て書き換える
- メモ帳で上書き保存する
- OEは終了させておいて、保存したレジストリファイルをダブルクリックで開く(または右クリック→[結合])
- OEを起動して、メッセージルールの情報が変更されたかを確認
ちなみに上記のレジストリキーの一つ上の階層の Rules には、Mail のほかに Filter と News という項目もあります。
Filter はOEのメッセージ一覧を表示するときのフィルターの情報が保存されています。
News は ニュース用のメッセージルールの情報が保存されています。
これらの項目も一緒にバックアップするときは、Rulesキーを丸ごとバックアップしましょう。
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