おわりに |
帰りは空から四国を眺めたいと思い、空路をとった。上の写真はその写真だ。この山野をすべて歩くことはできなかったが、いつかまた歩いてみたいと思う。辛かったのに、不思議なものだ。バタバタと決めた四国遍路。報告に書いたとおり、予想以上の収穫ある旅になったと自分では思っている。目標だったダイエットも、現在の体重は七三・五キロ。まだまだ重いが当初より七キロ減った。健康管理上もいい旅だった。
各県ごとにまとめた報告は、期間中の日記をコンパクトにまとめたものである。携帯情報ツールと携帯電話を持ち歩いたので、日々の心の動きを記すことができたし、友人たちと電子メールのやりとりをしたので、それが旅の大きな励みになった。ありがとう。ただし寺の石段などで電子メールを送るお遍路さんというのは、相当奇妙な光景だったろう。
振り返って読んでみると、愚痴ばかり言っているし、青臭さも鼻につく。恥ずかしい限り。それでもあえて詳細に記録に留めたのは、掛け値なしの自分の記録だということが一つ。もう一つは、特別に何かを「見る」旅ではなかったので、こういう形でしか報告ができないということだ。人事部からは「取材するつもりで」と事前指導があったにもかかわらず、寺の取材はほとんどしていない。旅の性格上、御了解願いたい。
旅行中も多くの「お接待」を受け、かつてない心温まる経験をした以上に、要員の少ない山口支局で、この一ヵ月の研修に快く行かせていただいた皆様にも心から感謝している。夏枯れの時期に加え、「ため原稿」も用意しないまま旅立ち、支局のみなさんには本当に御苦労をおかけした。
旅行費用は領収証が残った分だけでも約四十万円で、領収証をもらい損ねたものや、寺へのさい銭、自販機のジュースなど、おそらく六十万円を下らない。贅沢な旅をさせてもらった。最後になるが、この機会を与えていただいた西日本新聞社に感謝せねばなるまい。そして誇りにしたい。
報告書の編集には支局の問田さんの私物のパソコンを使わせていただいた。この場を借りてお礼を申し上げます。
1998年9月 須崎 滝彦
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