−HQLシリーズ:その1−

「高質」について考える:基本検討

By 石黒 広洲(1997年4月1日)

 
 この資料では「高質な生活:HQL」の全体について概略検討・提案しています。

「目次」
  1. 背景

  2. 「高質」とは何か:4つの見方

  3. 「高質な生活」とは

  4. 「高質」を創る

  5. 「高質」の要素について

  6. 「高質」の具体化プロセス

  7. 「高質化」促進のための制度変更・新設

  8. 今後の課題


 21世紀に向けたこれからの日本の変革の方向を示し、諸活動の求心力となるのが、 「高質な生活」である。 これを研究し、広義の意味での高質と高質化プロセスの”デザイン”をすることを検討する。対象となるのは、自分、家族、仲間、職場、地域など幅広い範囲を考えている。 日本の未来は国民一人一人の「高質な生活」にかかっていると提言するものである。

1.背景

 財政改革、行政改革、規制緩和など構造変化をする事で何を目指すのか。手段が語られるのみで、残念ながら”目的”が不明である。構造変化なる言葉が隔靴掻痒の感を免れないのも、この”目的”不在による。何となく新しい価値創造が必要であると言う予感はあろう。 しかし、それが何なのか、個人の側から発想せず、かつ発言出来ていないから進まないと考える。”もっと質の高い生活をしたい”のに、面白くない現象であり、なんとかしたい。
 ここでは、極めて明確に日本の変革の目的を「高質な生活を築くこと」であると提言したい。当たり前過ぎて、気恥ずかしくて口に出せない。特に、経済学者(文化経済学者は例外)がそうであろう。消費者/生活者側からもの申せば何と簡単なことか。

そこで、「高質:ハイクォリティ」とは何ぞやと言うことになる。ここでは、「高質」について、価値創造の多面的な展開、時間軸上の価値のパラドックス発見、高質なものは 物に無関係ではないかとの疑いをはらす、と言う様なアプローチの中で考えてみた。また、「高質」化とは、価値増殖のプロセスをインターネット・モデルのマネージメントでコントロールすることであると言うことも出来る。

 いま、エンターテイメントの世界が賑やかで、産業としても規模が大きくなっており、質的にも高度化しつつある。しかし、パチンコもゲームも受動的であることは否めない。ここで言う「高質」とは、もう少し能動的な活動を云々し、活動の成果が付加価値として周辺に伝搬する性格のものを取り上げている。

2.「高質」*とは何か:4つの見方

  @「高質」とは、成熟化社会を効果的に築くための日常的な目標であり、ときめきと活力に満ちた高度成熟化社会を
   ターゲットとする継続的な改善活動成果の指標
  A「高質」とは、コストを下げると共に、収入(付加価値)が上がる仕組みとプロセスで実現するもの
  B「高質」とは、贅沢でもなく、華美でもなく、無駄使いでもなく、本物の持つ固有価値を活かしきること
  C「高質」とは、質の時代の人間的あるいは精神的な豊かさ・満足度の源
  D「高質」とは、ある一定の評価水準を越えたものであり、相対的な比較論とは概念を異にする
*工業的概念の高品質、高品位とは異なり、もっと範囲が広いもの

3.「高質な生活」とは

  ・(生き甲斐のある満足度の高い人生を生きる+周りの人に刺激を与え幸福にする)+
   (内需拡大に繋がる+価値の増殖に貢献する)生活である。
  ・受動的ではなく、能動的でプラス指向の自律的な人生を送ることである。

4.「高質」を創る

 「高質」は、自然と出来るものでなく「意思」と「エネルギー」をもって創り出すものである。

 1)”高質を創ること”=知る+参加+デザイン+ネットワーキング(マネージメント)

 「パラメータの説明」

 2)「高質」を創り込む対象:

   ・物/サービス/表現、生活スタイル(自分、家族、仲間、職場)、地域、環境、社会

 3)「高質」なものを活かす/高質のつくり手をいかす:

   ・価値の評価力・享受力、伝達力
   ・価値観の変革・・・これは困難(外圧?)
   ・交流による学習が大切

 4)「高質」のStandardつくり:

   ・Internationalになるのか。
   ・必要性、可能性検討要

5.「高質」の要素について

 「高質」の心・精神の観点をふまえ、5つの基本軸、つまり空間/時間、知性/人間性、さらに関係性を「高質」の要素として捉えて検討した。取り敢えず、具体的なポイントを箇条書きする。

 1)精神性

  「高質化」のベースとして重要

 2)時間軸の要素

 3)空間軸の要素

 4)知的な活動

 5)人間性の復活

 6)関連性の強化

6.「高質」の具体化プロセスの提案

意識、制度の大変革を伴う結構困難なこと。すべての人が、と言うのではなく参加 の精神が重要。キャンペーン的キャッチでアイディアを表現してみる。

高質の対象 チャレンジ 目標
空間的 +1Room(Space) 住居、景観、森づくり
時間的 +1回長期休暇、+1day/月の有休取得 職住近接
人間性 1人/1ふる里運動:都市との交流 エコリゾート
知性 1人/1芸(芸術、美術、工芸、手芸、芸能) 物+デザイン
関係性 1人/1ボランティア、1人/1交流会 1人/1HP
 *当然、幾つかを組み合わせた活動もあり、最も重要な代表例は地域づくりである。

7.「高質」化促進のための制度変革・新設

 以上で提案したことを実現する上で、活動を支援する重要な施策を列挙しておきたい。

 1)経済関連制度創設

 2)長期休暇取得制度

 3)教育制度(考え方)の革新

 4)情報通信関連の法律改定

8.今後の課題

 まず、個人が積極的に実践することがたいせつである。
更に、「意思」と」エネルギー」を持った人達の個のネットワーク
(コアネットワーク)の 構築が大きなテーマと考える。
 情報、ご意見などあればお願いします。

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筆者 : h5m7a3h2@mxa.meshnet.or.jp  ・・・IE


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