多摩の温泉番外編
第六回・東京・湯河原温泉 万葉の湯

番外編?なんで?と言われるのは承知の上でこのようなタイトルで書き出すことにしました。万葉の湯は神奈川県湯河原温泉から湯を運んでおり、地の温泉ではないことが理由です。しかし、現在の混み方を見ても多摩のファンに愛されていることは一目瞭然。利用する人には地であるかないかは大きな問題ではありません。
そこで今回、多摩の温泉をテーマとしているこのコーナーで施設充実の一湯として万葉の湯を紹介させていただくことにしました。

この万葉の湯のオープンは97年4月でしたが、それより数年前、ここにはあるお店と駐車場がありました。裏道に詳しい方はこの店をご存じだったでしょう。この頃は東名高速を八王子方面に下りるとたいがい国道16号は激しい渋滞でした。そこで200m我慢し左側にあるこの店の駐車場に入って向きを変え信号が変わるのを待って16号を横切りKEIYUの脇から町田街道に抜けるという渋滞回避のヤミルートが存在していました...。覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
そして現在。その店は万葉の湯にかわり、ヤミルートはなくなってそれを逆にたどるルートが万葉の湯への正式な入り方になりました。裏道?には万葉の湯の看板がでているのでそれに従って走ればOK。東名側からは以前と同じように入れます。
駐車場入り口にはパーキングチケットの機械がついており、ここを抜けると警備員さんが案内してくれます。

道から万葉の湯の白い建物はよく目立ちます。建物内の階段を覆う、大きく万葉の湯と書いた障子を連想させる和風デザインの看板、なんと3階くらいの高さがある。

    
駐車場は165台と大きい。取材の日は連休初日のせいか夜11時だというのにほとんど空きがなく、警備員さんの指示で何とか車を入れた。玄関ホールも人混みでにぎやか。上階のフロントに行って2300円也を払う。タオル付き。浴衣・バスタオルも無料で貸してくれる。見回すと周囲に人が多いのに驚く。営業時間は午前10時から翌朝9時までなので夜中遅くまで飲んでるグループが多いのだろう。

早速風呂に行く。廊下の途中に和風のオブジェ。竹の途中のふくらみは徳利がはさまっているからだ。どうやら全館和風のデザインで統一されている。のれんをくぐり、木製っぽいロッカーを見るとこれはちょっと小さめ。私は荷物が多かったので少々困った。

浴室に入ると湯気もうもうで2m先が見えない。それでも湯船はかなり大きいことはわかった。内湯からガラスをはさんで和風庭園風の露天風呂・檜風呂が見える。露天への出口のところにサウナがあって木質の感じがとても良い。
お湯は無色透明。この日は混みすぎのせいかお湯にかすかにニゴリが...。臭いも新品タオルっぽいような、あるいは塩素だろうか、かすかに温泉にはない臭いが混じっている。混んでいる日はお風呂にこれだけの規模をもたせるとタンクローリーではちょっと供給が厳しいかも。きっと循環させるための装置も設置されているのだろうが、活性炭でも使わないと臭いまでは無理かな。しかし湯加減はいいし、露天も頭ヒエヒエの体ポカポカで実に温泉宿っぽい風情があり、楽しめることは間違いない。
泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉で食塩泉と石膏泉の混合タイプ。pH8.32の弱アルカリ、源泉温度は69.2度である。

さてこの万葉の湯、特記すべきサービスの1つはマッサージ、アカスリ、エステの種類が豊富なこと。
普通のマッサージは40分3800円、 60分5600円。平日でも夜中2時までやっている。足の裏マッサージのコーナーもあった。こちらは夜10時まで。
エステも写真の通りコースは多彩。一度試してみたいものだ。

    
特記すべき2つ目。万葉の湯には会議室、宴会場、貸部屋、貸切風呂がある。貸切風呂があるのは珍しいです。温泉地の高級旅館の雰囲気を作ってますね。ただし12才以上の混浴はご遠慮くださいと張り紙があったような記憶が...。一体なんなんでしょう...??子連れ専用家族風呂としないところが意味深ですねぇ〜?!
    
特記すべき3つ目。子連れで行ってもゲームコーナーの他、幼児向けのキッズコーナーまでそろっていて子供が飽きない。
特記すべき4つ目。ちゃんとした食事の施設があること。食事処万葉庵のメニューは例えば釜飯セットでも1700円前後、刺身はイカ刺し700円、盛り合わせ1800円といった値段。値段はちょっと高めだが、施設を作るとお風呂のお客さんの回転が遅くなることを考えればこれくらいの値段でも良心的。お酒類はビールが工場直送生ビール(キリンだったかな?)が目玉、日本酒も地酒を揃えるサービスぶり。酒類の価格は居酒屋とかわらない。
特記ばっかりになっちゃうのでここからは特記としませんが軒並みサービスが充実している。
まず大広間。100人以上入れる大きさと夜中でも注文可能なところがいいですね。お兄さんの対応も丁寧。隣のコーナーでは一品物のおつまみが並んでいる。セルフサービスで持って来ることもできますが、私は席で注文しました。写真は夜12時回ってからの風景ですが結構混んでます。急ぐ方はご自分でどうぞ。
レストルームはこれまたすごい。部屋は広く100人は入れるし、一人に1台テレビが付いた席が数十席もあるのだ。へたなビジネスホテルより夜が充実しますね。出張にも使えるかも?!

さて、最後に追加料金にふれておこう。午前3時を過ぎると最初の2300円に1500円が追加される。駐車場も5時間を過ぎると駐車料金が発生する。ご注意を!!
足の方は路線バスもあると思いますが、シャトルバスが長津田駅南口等々を回っているようです。詳細はお問い合わせください。

万葉の湯の施設はありとあらゆる要素を詰め込んでいる。
これだけでも多摩地区の温泉の中では突出した特徴だが、私はちゃんとした食事施設があることをあげておきたい。おかげで長湯もできる。その分料金が高め設定であるがサービスの対価としてはやむおえないのでは?
湯河原には何軒か日帰り温泉の施設があるが食事の質はいずれも手抜きしていない。万葉の湯はこの土地の文化をいい意味で引きずってきたのかもしれない。
最近健康センターも競合に入り、値段も下げ傾向にあるが、そろそろ価格より万葉の湯のようにサービスの充実度が固定客の獲得につながる時期に来ていると思う。新しいサービスがでてくることに期待をかけたい。
万葉の湯は、小田原の2号店もこの夏オープン予定で今後も発展が楽しみ。
今回は食事ができない時間帯に行ってしまったのでまた取材したいと思います。

万葉の湯:東京都町田市鶴間1685−2

TEL 042−796−0426

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