小沢酒造場 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 蔵の中 |
創業以来のレンガ造りの蔵の静寂な雰囲気中で、「おごそか」という言葉を感じさせるお酒造りが行われていました。
まだお酒造りの最盛期前なので、全ての工程は見れませんでしたが、お酒造りに関わる職人の技を垣間見ることが出来ました。
蒸し工程 |
蔵に入って最初に目に付いたのが、大きな釜にこしきが乗っている姿です。
朝6時に火を付け、8時には噴き上がり、その後コンベアーで風を送りながらさぼします。
米の質や、洗いの状態により、蒸す時間やさぼしの温度管理が変わるそうです。その為に、「釜屋」というお米を蒸す作業一切を取り仕切る責任者の方が、長年の経験と勘で管理されるそうです。
麹 室 |
蔵見学をしても、雑菌の侵入や温度変化を嫌い、普通は入れてはもらえませんが、今回は特別に見学をさせて戴きました。温度管理がとても重要なため、断熱材でしっかりと囲まれ、扉も二重になっています。
お米を全てブドウ糖に変える工程で、完全に変化させないと次の工程に影響が出ます。温度に敏感に反応するため、室温は30℃〜32℃の間で一定に保たれるそうです。特に温度管理が大切な工程では、麹室の中に「麹屋」と言われる麹造りの責任者が寝泊りして、麹造りを行う事もあるそうです。
[写真は麹室の中の様子です]
「一に麹」「二にモト」と言われるくらい、お酒造りの工程で、麹造りが一番大事なのが良く分かります。
モト造り |
出来あがった麹を、モト桶(1m位の円筒形の桶で、高さが1.1mくらいの容器)に入れ、20cc程の酵母菌を入れてモト造りを行います。
酵母は、糖分をアルコールに変える働きをしますが、自社のお酒に合わせて、蔵が大切に管理していると思っていましたが、酵母菌は国税庁が管理しているんですね。20ccくらいのアンプルで購入するそうです。種類は何種類も有り、作りたいお酒に合わせ、目的の酵母菌を購入するそうです。 |
ここでは、「モト屋」という責任者が、モト造りの工程を管理しておられます。
今朝仕込んだものから順番に、モト桶が4つ並んでいました。順番に香りをかぐと、酵母が大量に培養されており、麹のにおいからお酒のモトを感じる薫り高いものへと順番に変化しているのが分かります。
温度管理が大変で、温度を上げたり、下げたり、その微妙な変化を読み取って行う作業は、長年の経験と感が大切なことを感じます。
仕込み |
モトに蒸米・麹・水を加え、仕込むそうです。これを3回繰り返し、大きなタンクの仕込みが終わります。後はお酒になるのを待つだけです。
蔵ではタンクを上からのぞきましたが、仕込みの最中で、まだ完全な香りはしませんが、とても上がりが待ち遠しい気分です。
搾り |
タンクで熟成した醪を搾ってお酒と酒粕に分ける工程です。見学の際は、まだお酒が出来ていませんので、作業を見学することは出来ませんでした。