2. プロジェクトの目的:
荒廃しつつあるという、西多摩、奥多摩の森林を林業としてだけではなく、自然環境、樹、林間農業(アグロフォレストリー)、木材(間伐含む)、
木工、建築、各種体験学習など多面的に捉え、「使って育てる」ことで積極的な資源保全を図る。
この利用の課程において、既存企業が多面的に係わり、或いは新たなる関連企業の起業を促すことで、”ソフトな産業”の構築を可能にし、
新しい産業の振興を図る。
2)背景とアプローチ
根底には、程良く人手を掛けてこそ森林が守れ、森林も力を発揮出来るとの考え方がある。ただ問題は多面的に森林を活用するには、
ドイツのシュバルツバルトでも政策を見直して実行し森林を再生したように、広葉樹と針葉樹の混合林を早く育てることである。
つまり、まず多数(多地域)のバランス良い「混合林」の育成から、各層の都民が参加したプロジェクトは着手しなければならない。
その中で、今あるものを利用した体験学習への活用も平行して開始すべきことである。長年産業を視野に入れながら多摩地域の探索を体験してきたことから、
その可能性を十分認識できた。
3)展開方向
以下を体系化することで、より総合性が担保出来るし、ソフト産業にも結びつく。
@小中高の学校において「総合的な学習」の中に、森林で環境、産業、文化、生活などを体験的に学ぶことを行う。
もちろん、学校教育の一環のみならず自分たちが自主的に関 われる仕組みを同時に組み込むことも大切であり、
出来るだけ日常性の中で継続的に体 験する場としての解放的なアプローチとする。
このため各市町村が身近な所に、例えば 学校帰りに寄れるような小さな森を創り、自分達で遊べるような環境を与えることも
重要なことになる。小さな森の片隅に手作りの工房やショップが有ればなお望ましい。
A大学生(高校生なども可)などの若者ならではの活用を促進すると共に、@に関連して若者にボランティアで参加してもらえる
仕組みにすることも必要である。
B元気な高齢者(定年退職者)に参加してもらう。
C小中高の生徒の親に係わってもらう仕組みを取り入れる。
D地域の企業に資金、人の提供のみならず、ビジネス機会の面で積極的な参画を促す。
E木工など木を使う工房を育成すると共に、これを使う生活や学習のキャンペーンを張る。
4)活用方法
一次、二次、三次、四次の各産業及び産品生産の場として活用する。
つまり、一次産品(ハード)としての樹、木材のみならず、加工を組み合わせた二次産品化も重要であるが、
更に、サービスや経験型産品などのソフトな分野での活用を重視して、産業としての付加価値を付けていく。
これから始まる「総合的な学習」の機運は1つのチャンスである。
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