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ところで、去る４月、私は出張でドイツに出かけたのですが、その際ライプツィッヒを訪れる機会があり、有名なノイ工・ゲヴァントハウスのホールも見ることができました。ベートーヴェン大先生はライプツィッヒに縁のある人ではなかったのですが、何故かこのホールのロビ一のど真ん中に裸で鎮座しておられるのです。裸といってもパンツもはかずに大胆な格好をしているミケランジェロのダビデ像とは違って、用心深く足を組んで死角を作り更にその上から膝掛けをお召しになっているので安心なのです。このべ一トーヴェン像について私の独断と偏見に満ちた見解を述べさせていただきますと、この像のモデルが「田園］を作曲している頃の彼であることは一目瞭然です。嵐の中を歩き回って服が雨でびしょ濡れになったので、脱いで乾かしているに違いないからです。なお、本日の演奏で使用する楽譜は、ドイツの音楽学者ぺ一ター．ハウシルトがベートヴェンの自筆譜に基づいて校訂した版で、従来用いられていた版との主な違いは２楽章でヴァイオリン群が弱音器を使用することです。