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弥生室内管弦楽団第21回演奏会




[交響曲第94番ト長調「驚愕」(ハイドン)]

−−−−−−−− 当時のロンドンにはザロモン楽団のライバルで「プロフェッショナル・コンサート」という楽団があった。ザロモンがハイドンを招聘したのに対して、この楽団もハイドンの元弟子の作曲家プレイエルを呼び寄せた。元弟子がドーヴァー海峡を超え、今度はライバルとして再会する。
「先生、お久しぶりです。プロフェッショナル・コンサートに呼ばれて来ました。」
「おー、プレイエル君、よく来たな。ロンドンでどっちが聴衆を驚かすことができるか勝負しよう。わしの腕前をよく見ていたまえ。君の演奏会にも出かけるよ。」
「面白いですね。私も先生の演奏会は楽しみにしています。」
という訳で、ハイドンとプレイエルの間に「びっくり合戦」が始まったのである。現在ではこの勝負の結果は明らかだが、ハイドンにとっては異国での弟子との再会が結構楽しかったし、刺激にもなったようである。
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 1092年3月23日、初演の日の様子。第1楽章が終わり、いよいよ問題の第2楽章が始まった。8小節の主題が提示され、さらに弱く繰り返される。その終わりの方でハイドンの右手が高く上がったかと思うといきなり全員が「ジャン」と音を出した。ハイドンが一瞬客席の方をふり向くと、会場に軽いざわめきが起こり聴衆が目をぱちくりさせている。プレイエルもニヤニヤしている。ハイドンが再びオーケストラの方を向き直ると、ティンパニー奏者がハイドンに向かって片目をつぶってみせた。「先生、バッチリだぜ、第4楽章も任せといてくれ」と。かくしてこの曲は当時のロンドンで大いにウケたのであった。





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