INFORMATION whatYAYOI CONCERT HISTORY MEMBER FORUM LINK MEMBER ONLY 練習予定


弥生室内管弦楽団第22回演奏会




 本日のプログラムは、当団始まって以来の念願、オール・ベートーヴェン・プログラムである。ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)は言わずと知れた大作曲家だが、彼の時代のヨーロッパは、1789年に始まったフランス革命、それを受けて登場したナポレオン(1769〜1821)の台頭、ナポレオン戦争の戦後処理を決定した1814〜5年のウィーン会議以後の反動体制による平和回復まで、歴史が大きく動いた時期であった。
 とりわけ当時のヨーロッパ中を吹き荒れたナポレオン旋風は、彼の作品に深く関係している。彼は1792年にウィーン進出を果たしたが、ウィーンの貴族の中にも共和制の支持者が結構いることを知る。最初はナポレオンのシンパであった彼も、1804年ナポレオンの皇帝即位を聞いて激怒し、「英雄交響曲」を献呈するのを止めたのは有名な話である。自由解放の共和制の英雄なら結構だが、権力欲に取り付かれて皇帝に即位するとはけしからんという訳だ。それ以来、彼の故郷ボンもライン連邦の成立でナポレオンの配下に置かれ、活動の拠点ウィーンも何度もナポレオン軍の軍靴の蹂躙するところとなる。ところが、ナポレオンがウィーンに派兵した時期と、「傑作の森」と呼ばれるベートーヴェンの絶頂期は、共に19世紀初頭に位置し、奇妙に一致する。本日取り上げる作品の成立事情にも、何らかの形でナポレオンの影が付きまとっている。




Return