「船上のメリークリスマス」 page 6
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「@さん、お疲れ様でした 今回の事件が無事に解決できたのは、貴方のおかげです」 「晴れて自由の身ですね・・・陸に上がったら最初に何がしたいですか?」 「・・・・」 「・・・・@さん?」 「俺は・・・・・L、貴方に会いたいです」 「・・・・・・・それは」 「分かってます、それが無理な事は これが最後・・・本当に最後の会話なんですよね」 「・・・・」 返答が無いのは、それが正解だからだろう。 俺はLの次の言葉を待たずに、話し始めた。 「Lに見せたいものがあるんです ジェフリーの置き土産ですが・・・」 「どうしても、貴方に見せたかった 俺から貴方に、最後のプレゼントです」 Lは黙ってPDAを操作する。 少し髪が乱れネクタイの曲がったFBI捜査官の映像が切り替わり、満開の桜の木が映し出された。 青年の漆黒の瞳を淡雪のような桜の花びらが流れ落ちる。 彼一人きりのブリッジに、PDAから流れる繊細なピアノの音が響いた。 「『Merry Christmas Mr.Lawrence』・・・・ ふふ・・@さん、映像と音楽の季節が合っていませんよ」 「はは・・・俺もそう思いました」 「でも、私は好きです 桜も・・・そして この曲も」 Lは監視カメラの映像に手を伸ばした。 何の意味も無い行為・・・ テレビ画面に映る男の髪に手が触れる寸前で、青年は その手を引いた。