何かにつけて、自国の国内法を持ち出して日本に経済制裁をちらつかせるアメリカのやり方は気に入らない。しかし私は、捕鯨や鯨肉を食べることは日本の文化や習慣であること、調査捕鯨の対象となっている種が増えていることののみを調査捕鯨を続けようとする根拠にしていない日本の議論も理解できないのである。
私も、記録映画や文献で鯨の肉が昔から戦後すぐまで日本人の安価なたんぱく摂取源であったことは十二分に承知している。また、日本の捕鯨は鯨油だけを利用していた欧米の捕鯨と違い、肉だけでなく、鯨の体の一部分を伝統芸能の道具として使われていること(何がどこで使われているかは忘れてしまったが)ことも知っている。しかし、鳥、豚、肉、魚介類などがある現在、捕鯨の必要性があるのであろうか、そして鯨の体の部分を使わないことがその伝統文化の本質までも失わせるものであるのかと疑問に思うわけである。これらをについて明確に解答し、更に日本の捕鯨を擁護するための新しくかつ説得力のあるロジックを用意しなければ、過半数が反捕鯨国によって占められているIWC(国際捕鯨委員会)や環境NGOに対抗できないであろう。
まずは、国内で日本の捕鯨の存在意義について周知させるキャンペーンを国主導で大々的に行ってはどうであろうか。相手は国際社会である。国家が主導的な役割を果たしても悪くはないと思うのだが
(2000/08/31)