fj.*の歩き方 (1996 Apr) (3.3)
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3.3「パソ通との違い」

博:(独白)本郷君もようやくマシンに入ってなんとかできるようになってきた
  わい。こないだまでは^Zで山のようにnemacsを停止していた奴とは思えんな。
  ト、そこに噂をすれば陰と、本郷君。死紙博士の所に、やってくる。ふむ。
  ト書きまで自分でやるのも変なものだが、なにを泡くってるのだ、本郷君は。

3.3.1「パソ通からの手紙」

本:死紙博士、死紙博士。たいへんです、大変です。困ったことになりましたよ。
博:何だい、本郷君?大げざに言いやがって、ったく。困ったことって何だい。

本:今日、ZZZ00000@niftyserve.or.jpとかいう人から手紙が届いたんですけど...
博:おぉ、そりゃ、単なるNIFTYからのメールなんだな。
本:何すかぁ、そのNIFTYっつーのは?

博:唖然。NIFTYというのはパソ通の一種じゃよ。うーん、本当に知らないのか?
本:何せ、私、馬鹿ですから、へへ。で、パソ通ってのは、スペインの舞踏で、
  2/4または6/8拍子で踊るやつ。それはパソ・ドブレだよ。チャンチャン。

博:何を一人で、ボケてつっこんでるのだ。パソ通とは、「パソコン通信」だよ。
  パソコンとパソコンが互いに通信して、「うちの御主人ったら駄目なんです」
  とか「うちのハードディスクったら」とか言い合うんだよ。なわけないぞ。

本:ったく、博士も一人ボケツッコミして。えーと、わかりました。パソ通ね。
  えーと、パソ通ね。で、これって、Internetとは、何か違うんですね?
博:あら松ちゃん出臍の宙返り。Internetという言葉を知ってるのかい、本郷君。

本:馬鹿にしないで下さいよ、博士。このぐらいはね。じ・よ・う・し・き。
  新聞にも「Internetというパソコン通信」とよく出てるじゃないですか。
博:(こけっ)いんや、パソ通と、Internetとは、ちょと違うんでないかい?
  まぁ、NIFTYってのは、というか、NIFTY-Serveってのは、BBSの一つじゃな。

本:な〜んだ、BBSですか。最初からそう言ってくれればいいのに。でも、僕が知
  っているBBSだと、hogehogeさん宛の手紙はhogehoge宛に送ればいいんですけ
  ど、何ですか、この余計な、"@niftyserve.or.jp"っていう呪文的なのは?

博:そいつがだな、「ドメイン形式」という奴でな。Internetではこの「ドメイ
  ン形式」で、相手の宛先を指定するんじゃよ。
本:ドッ、ドメ??? ドドメ形式?

博:こらこら、変な所で止めるでない。ふぅ〜っ、危ないったらありゃしない。
  じゃぁな、一応ここで「ドメイン」と「ドメイン形式」について説明するぞ。
本:難解なのはイヤだなぁ。そういうのやると、このページをとばされますよ。

博:わかった、わかった。まず、ドメインというのはだな、「領域」のことじゃ。
本:それって英和辞典に出てますよ。domain、えーと、名詞ですね。えーと。
博:訳はどうでもいい。まあ、いいかえれば、「区域」と言ってもよいかな。

本:ふ〜ん、訳はどうでもいいみたいだから、よくわからないけど。それが何か?
博:それでじゃ、日本というドメインには、最後にjpという名前がついている。
  これを「jpドメイン」と呼ぶことにしよう。いいかな、jpじゃぞ。わかる?

本:あ、そうかぁ、jpドメインの中にもさらに下のがあって、学術機関(ac)や企
  業(co)、政府機関(go)、その他の団体(or)といったドメインがあるんだ。ほ
  ほう、そういう階層的な構造、いわば木構造をしているんだな。はいっ、わ
  かりました。ほな、さいなら。

博:こらこら勝手に終るではない。まぁ、例外もいくつかあるが、だいたいこん
  なものだと思っておけばよかろう。で、階層的なドメイン構造においては、
  ドメインの中のドメインのことをサブドメインと言ったりもするな。

本:で、「ドメイン形式」っていうのも、この「ドメイン」と関係あるんですね?
博:そうじゃ、そうじゃ。ドメイン形式というのはな、さっきは「Internet形式」
  とかいったやつじゃ。Internetで離れた計算機を使っている人にメールを出
  す時に使われる、相手の宛先を指定する方法じゃ。

本:すると、ドドメ、もとい、ドメイン形式がわかればInternetにつながってい
  る、全ての計算機の全ての利用者に手紙が出せると、いうわけですね。博士?
博:まぁ、建前上はそういうことになるな。ところで、本郷君はどこのドメイン?

本:僕ですか?知ってるくせに、中洲産業大学の風俗情報産業学科所属、死紙研
  の本郷たぁ、あぁ、俺のぉこぉとぉ、だぁぁぁ。よっ、なりたやぁぁぁぁぁ。
博:成田屋だからといって、海老ぞることもあるまいに。ともあれ、そういうこ
  とならだな、日本(jp)の学校(ac)の中洲産業大(naka-dai)の風俗産業学科
  (huzoku)の死紙研(shinigami)の本郷(hongo)だから、メールの宛先は
  		hongo@shinigami.huzoku.naka-dai.ac.jp
  ということになるな。

本:へ?そんないきなり出されてもわかりませんよ、博士。それに何か変だなぁ。

博:まあ、こういうアイデアをいっておるんだよ。つまり、だ。`@'の後のが、住
  所で、`@'の前が氏名。そう、「どこどこ の だれだれ」ってなかんじだな。
  で、住所の方は、最後になるほど、でかい区分でな、だんだん前に行くほど、
  小さくなる。ま、必ずしも、組織の構成と一対一対応してるわけではないが。

本:あれ、これって、外国の手紙の場合と同じ順序だ。つまり、氏名が来て、そ
  の後に、部屋番号、ストリート、シティ/タウンシップ、カウンティ、ステ
  ート、で、国名。おお、「氏名アットどこそこ」まさに、エアメールのあれ
  と同じだぁ。

博:そうそう。そういうこと。そういうことなんだな。だから`@'、アットなんだ。
本:なるほど、なるほど。ということは、最初に届いてた手紙は日本(jp)のその
  他の団体(or)のNIFTY(niftyserve)のZZZ00000さんから届いた手紙ということ
  ですね。

博:そういうことじゃ。Internetとパソコン通信との間でいうと、今は、NIFTY、
  PC-VANにも相互にメールを出せるようにもなっておる。それ以外にも結構あ
  るな。全部リストアップする気はないからほっておくが。とにかくまぁ、便
  利になったものじゃ。うむうむ。まったく、ネットワークは、相互に乗り入
  れて拡大していくのが運命というものなんだなぁ。まあ、といっても、制限
  はそれなりにあるのだが。


3.3.2「違いのわかる男」

本:ところで、パソ通とInternetのNetnews、例えばfj.*はどこが違うんですか?

博:そうじゃなぁ、一言では語り尽くせないくらいいろいろと違う部分があるが、
  大きな違いというとだな、「集中」と「分散」ということがあるな。
本:そうそう、パソ通ってのは、パソコンを端末にしているだけなんですよね。

博:そうそう。パソ通の場合には、ホストと呼ばれるコンピュータが各パソコン
  通信毎に1台、または、1台あるように見せてあって、「書き込み」をする
  人はそのコンピュータに公衆回線などを使って接続するのが普通じゃ。

本:これが「集中」ですね。
博:だな。しかし、Netnewsの場合にはそのようなホスト・コンピュータはなく、
  世界中の多くのコンピュータに記事が保存され伝達していく、つまり「分散」
  しているわけじゃ。

本:いわゆる、store and forwardですね。「多く」っていくつくらい、でしょ?

博:知らん、知らん。いっちょん知らん。なにせ、今日も世界のどこかで、あな
  たの知らないうちに、ひそかに増えているかも知れんからな。具体的な数は、
  どこの誰も把握しておらんだろう。CIAだって知ってないと思うぞ。

本:まあ、「いっぱい」台とか「たくさん」台あるようですね。
博:そう。で、Netnewsの場合にはこのようなコンピュータのことをニュースサ
  ーバと呼ぶのが一般的じゃな。で、だいたい一つのサイトには少なくとも
  1台のニュースサーバが用意されているし、大きな人口のあるサイトには、
  複数のニュースサーバがあって、相互にやりとりなんかしているのだぞ。

本:あの、「サイト」というのは、もしかして、すみません。人の名ですか?

博:あ、サイトというのはだな、まあ、ドメインと同じようなものだと思ってお
  ればいいだろう。うーん、だいたい、ひとまとまりの、たいていは組織でな、
  お、君とか儂の場合は、naka-dai.ac.jpというサイトにあるわけだ。

本:そういうことですから。さらに両者の違いについて説明を続けて下さいよ。

博:ほい、パソ通の場合には書き込んだものをメッセージと呼んだりするが、
  Netnewsの場合にはこれを記事(article)と呼ぶ習慣になっておる。まあ、
  newsだから記事というわけだ。ほら、ここで笑わんかい。他では笑えんぞ。

本:じゃ、fj.*では、書き込みをする人それぞれが一人の新聞記者というわけで
  すね。(いきなり)♪ルゥー、ルー、ルルルル、ルールールー

博:何じゃそれ。なつかしの「事件記者」のつもりなのかもしれないが、そうい
  うのは、実は「七人の刑事」じゃないか。しかも、途中で「大岡越前」にな
  ってるぞ。そもそもわからん人にはわからんネタをするんじゃない。

  それはともかく、fj.*のようなNetnewsでは、普通、「書き込み」とは、あま
  り言わないんだよ。かわりに、「投稿(post)する」と言うんだな。だから、
  「新聞記者」というよりは「新聞の投書欄に投稿する人」と言うべきじゃろ
  う。さらに、だ。Netnewsでは「アップ(upload)」とは普通は言わないんだな。
  言ってはいかんというわけではないが、ちょっと場違いに思われるだろうね。

  あと、パソ通だと、書き込む場所は「ボード」とか「掲示板」とか「会議室」
  とか「シグ(SIG, Specially Interested Group)」とか呼ばれるもので分類
  されておるが、Netnewsはpostするところをニュースグループ(Newsgroup)と
  呼んでおる。ニュースグループについては、後の方とか付録とかを見ればど
  っかに書いてあるが、これも、ドメイン同様に階層化されておる。ただし、
  ドメインとは逆に、前の方がでかいのじゃな。で、一番でかいのは、Top 
  domain同様に「Top」というのでな。これには、fjとかcomp、rec、soc、alt、
  gnu, tnn, jpなどがあるのだな。ふー。で、topがfjだからfj.*はfj.*とい
  うのだな。

本:store and forwardだと、postされた記事はどう伝達するんです?

博:パソ通の場合にはホストが1台しかないから、ホストのメモリやディスクに
  保存された記事は全国の人が誰でもすぐに読むことができる。んがっ。
  Netnewsの場合には、記事を受け取ってローカルに保存する。ここまではパソ
  通と同じじゃ。で、ニュースサーバは、御近所のニュースサーバにそれを送
  るのだな。火事の時なんかの、バケツリレー方式なんだな。一回一回は、御
  近所なんだが、これが連続すると、世界中に到達する。と、いうわけだ。

本:でも、バケツリレー方式だと、まず、リレーする伝達に時間があるから、端
  から端まで時間がかかるし、それから、御近所中に送れば、同じのを何度も
  何度も送り回すことになるんじゃないかなぁ。簡単にいえば、自分の送った
  のを、また送られてしまうことだってあるはずだしぃ。

博:まあ、二重に送らないようにするには、うまくやる秘密(でもないが)の仕
  掛けがあるのじゃよ。でも、伝達に時間がかかるのはよくあることで、時間
  がかかっている間に途中の機械がこわれて、途中で消えてしまうことも、よ
  くある。ほとんどはうまくリカバリされるが、それでも大幅に遅れることも
  あるんだ。

本:えっ、全世界といいながら、届いてないこともあるんですかぁ。金かえせぇ。
  といってもfj.*には金を出してなかったけど....。でも、困るなぁ。
博:そんなこと言っても、そういうもんなんだからしょうがない。消えちゃった
  ら消えちゃったということで、あきらめるしかないな。

  あと、御近所に送ってくと、いろいろな経路で記事が届くこともあるな。そ
  のため、記事が届く順番も場所によってまちまちになることがある。

本:ははぁ、だから「fj.jokesの10000番の記事」とか言っても他の所の人では、
  同じ番号のものを見ているとはいいきれないんだな。わかったわかった。
  でもねぇ、どれか特定の記事を指す時にはどう言えばいいんですか?パソ通
  だったら、「○○のボードの100番の記事」っていえばわかるんですけどね。

博:そこでだ、秘密の仕掛けに使う道具が役に立つのだな。実はNetnewsの記事
  のヘッダには、Message-IDというのがあるのだ。例えば、
  		Message-ID: <123@hoge.ge.jp>
  みたいになっているやつだな。で、このIDっていうのは、ユニークに作られ
  るものだから、これで記事が特定できるんだな。
  だから、IDで「<123@hoge.ge.jp>の記事」と言えばいいのだな。


3.3.3「消える記事」

本:ああ、博士。この前fj.jokesに面白い記事があったんです。で、もう一度読
  みたいんですけどね、もうどこにも見当たらないんですよ。こういう時って、
  IDがわからないと駄目なんでしょうかね。

博:いやいや、二つの理由が考えられるぞ。一つは君がまだ使い方が下手なせい
  もあるだろう、いやきっとそうに違いない。しかし、もう一つの可能性もあ
  る。まあないと思うが、それは、その記事がもうexpireされて消えた場合だ。

本:また新しい言葉だ。expire?ん、もう、英語の授業じゃないんですから。

博:パソ通なんかだと、ある程度のメッセージが溜ったらまとめて圧縮して別の
  場所に保存したりするのもある。これがNetnewsの場合には、ある所に来て
  から、ある一定期間経った記事というのは、全部消してしまうのだ。この
  「消す」ことをexpireと呼ぶな。

本:ほら、あの、クレジットカードにもEXPとありますね。無効にしてしまうと
  いうことですね。なるほど、そういうことかぁ。

博:実際のところ「ある一定期間」というのは場所によってディスク容量とかが
  異なるから一概にどれくらいとは言えんが、大体10日から1週間というと
  ころが主流だろうな。

本:まあ、世の中にはずーっと全部保存していると豪語している所もあるという
  のに。しくしく。みーんな貧乏が悪いんや。これからは、ダウンロードしよ。

博:ちっちっち。Netnewsではパソ通みたいに「アップ(ロード)/ダウン(ロー
  ド)」という言葉は、普通は、使わないんじゃ。パソ通の場合にはパソコン
  を端末として電話回線経由なんかでホストに接続してるから、パソコンから
  ホストにメッセージを送ることを「アップロード」、逆にホストからパソコ
  ンにメッセージを受け取ることを「ダウンロード」と言っとるのだ。

  んがっ、Netnewsの場合には端末というかんじじゃないからな。ログインして
  いるシステムに記事をファイルで保存する格好じゃ。まあ、マニュアルを見
  なさいよ。

  そうそう、アップとダウンで思い出したぞ。Netnewsの場合にはfj.binaries.misc
  とかfj.sourcesのようにバイナリやソースプログラムを投稿するニュースグ
  ループは決まっておるが、ここに投稿されるものは、普通の記事と同様に読
  めるようになっておる。そこで、バイナリについては、UNIXにあるuuencode
  によって、文字に変換しておるな。

本:と、突然の話ですね。本当に、博士って、強引だなぁ。

博:それがっ私のっ、いいっとっこっろっ。(注:1994年限定ギャグ)

本:わかりました。推理すれば、ですね。さっき電子メールの所でいってた話で
  すね。7bitうんぬんですね。

博:そうなんだ。Netnewsにおいては、8bitが通らない場合が多いんだな。だから、
  7bit化しておく必要がある。で、8bitのバイナリで送る場合、fj.*でよく使わ
  れるのが、uuencodeってわけなんだ。

本:で、uuencodeされたのを元に戻すのはuudecodeということですね。でも、変
  だな。fj.binaries.macの場合にはBinHexというのを使っていますよね。変だ
  なぁ。変だな。

博:おお、知っておるなら聞くなって。わからんことがあったら、管理しておるニ
  ュースシステムの管理者に聞けばよいだろうに。
本:管理者って何?へえ、管理ねえ、もしかして、シスオペのことかしらん。

博:いやいや。違う違う。商用のパソ通のシスオペは一人から数人が専従でやって
  おり、大規模なパソ通だったら各シグごとにシグオペが数人いることもあるな。

  が、Netnewsの場合のシステムの管理者は、専従者ではなくて、あくまでもボ
  ランティアが普通なんだ。

本:ボランティアなんですか?黄色いTシャツ着て24時間どうこうする、あれ?

博:そうじゃないって。シスオペとNetnewsでの管理者には管理権限にも違いがあ
  って、シスオペはまあ、全部の記事に目を通して、場合によっては消す権限
  もある。が、ボランティアの管理者だと、全部の記事に目を通してる暇も義
  務もないわな。それに「分散」だから、権限は、自分のいる場所だけで、流
  れてきた記事を消すような、いわば検閲的なことをする権限は持っていない
  んだ。

本:シスオペがいなくて、類似したのも自分のところの権限しかないんだったら、
  全体で何か、例えば、新しいニュースグループが欲しい時には、いったい、
  誰に頼めばいいんですか。

博:fjの全体の管理は参加者全員で、民主的におこなうのだな。まあ、これも、
  この本を読めば、なんとなくわかることになっておる。

本:本当にわかるのかしら?それでも、わからなかったら、どうすればいいの?

博:そういう時は、fj.*に記事をポストすればいいのだよ
		「困った時のfj頼みです、教えてくださいな」
  ってな。