fj.*の歩き方 (1996 Apr) (5.1)
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5.「fj.*生活の知恵の巻」



5.1「質問と回答のやり方」

えー、死紙です。また。講義をはじめるぞ。

fj.*に対して質問をすることができるんだが、まあ、よく聞くのは「困った時の、
fj.*頼み」というやつだな。これは結構多いのだよ。あ、困った時の質問は、そ
れぞれの分野のNGでもいいのだが、まあ、どこに出していいかも迷ったならば、
fj.questions.miscというのがあるから、それを利用するといいんだ。いや、どこ
でしてもいいんだが、質問をどこにするか悩むぐらいならば、fj.questions.misc
で質問すればいいんだな。うん。

質問があると、だいたい、それに対する回答というのもフォローだのリプライで
よせられるな。まあ、回答そのものではなくても、関連する情報の提示だとか、
どこで調べたらいいのかという情報だったりすることも多いな。営利に対して自
粛ぎみなfj.*では、回答が営業内容や極秘情報になってしまうような場合だと、
連絡先だけ教えて、後でFAXとか郵送しますということをよくしているもんだ。

それに、答そのものを要求しても、それが誰もその答を出せないという場合もあ
るぞ。例えば、「フェルマーの最終定理の解を教えて下さい」と質問をしても、
さすがにそう簡単にその質問への回答は答えられんだろう。関連する情報がせい
いっぱいではないかな。

まず、質問する人の心がまえとしていえることは、まずは自分で調べるという姿
勢も重要なんだ。

というのも、fj.*で質問に答えてくれる人というのは、何も子供電話質問とかの
人のように、それを仕事でやっているわけではなく、片手間にボランティアに答
えているのだ。質問した人が苦労していたり、困っているようだから、それを手
伝おう、助けようという気持ち、つまりいわゆるひとつの親切心で答えてるんだ。

だから、望んでいる答が得られない場合だってある。答を知っている人が皆無の
場合だってある。そういう場合でも、腹をたてたり絶望しないでほしいのだ。

そして、あなたが、自分では何もしたくない、自分の手を汚すのはいや、といっ
た態度でいて、しかも、ぐうたらしてヘラヘラしているのが見え見えだと、誰も
回答してあげようという気がおきないのも、ムベなるかな、なのではないかな。
そうは思わないかね。

いい例えではないが、自分が腕時計を持っているのに、それを見ることもせず、
近くにいる人に時間を聞くのは、いかに便利だとはいえ、聞かれた人は迷惑では
ないかな。わかったかな、本郷君。それはともかく。

自分でなんとかしたいけど、困っているからちょっと助けて、というのならば、
助けることのできる人が助けてくれる可能性があるんだな。

まずは自分で調べてみる、それで駄目ならば聞いてみる。自分で調べる気があれ
ば、直接の答が得られなくても、調べる方法とかを教えてもらっただけでも嬉し
いじゃないですか。自分で調べていただけに、ちょっとのヒントですぐわかるこ
ともあるでしょ。

まあ、問題によっては、自分で調べようとしても、その調べ方すらわからない、
というものだってあるわけですよ。そういうのは、もう、どこから手をつけたら
いいのかすらわからない。だから、ちょっとの情報だって、藁をもつかむことに
なるわけだね。

そう、そうなると回答する方も、直接の答でなくても、それが関連する情報であ
っても、または、どこで調べればいいよというのだけでも、困った人にはなるべ
く情報を提供してあげようよ。

ところで、fj.*では、同じような質問というのが結構出るんだ。こういう頻繁に
質問される質問を、Frequently Asked Question、FAQと呼んでいる。おっと、
ファッキュー、ファックキューと言っては駄目だよ。おいおい、中指を立てるん
じゃない。FAQっていうのは、そういうジョークにもなっているんだけどね。

で、fj.*のNGによっては、FAQとその回答をまとめようという動きがあるんだ
な。もちろんこれもボランティアなものだ。こうしてFAQがリストにまとめられ
ると、同じような、また、ありがちな壁にぶつかった仲間を助けることができる。
そうなんだ、FAQリストがまとめられていれば、例えば何かのインストールだと
いった、よくあるような問題については、FAQリストを見れば解決することが多
いのだ。

しかし、多くの人が質問をしている、つまりFAQのようなものだからといって、
質問をためらうことはないんだよ。わからないのならば、FAQだとかをあまり気
にせずにすすんで質問しようじゃないか。

あなたは、「ありがちな質問」、つまり、FAQだと思っていても、実際にはそう
でない場合が結構多いんだから。「FAQですが」などといって、あまりためらう
必要はないのですよ。わからんものはわからんのですから。堂々と質問しようよ。

自分の無知が恥しいかもしれない。でも、「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」
というではありませぬか。あまり余計な恥じらいはfj.*では無用だと思うんだ。

そして、もしその質問が、ありがちな質問で、しかもFAQリストがあれば、それ
を示してくれる人が必ずいるはずだ。そうなれば、それを自分で調べればいい
という次第なわけだ。

FAQのリストは、fj.archives.answersに流れることになっているね。あ、このN
Gでは、他にも、fj.*のNGの一覧や、MLの一覧などが流れいるね。できたら、
ここを見ておくと便利だよ。

しかし、質問というのはむずかしいもんだよね。質問に答えてもらいたいのだっ
たら、答えてもらえるように質問した方が効果的だと思うよ。漠然とした質問に
は、漠然とした回答しか答えようがないじゃない。そして、何を質問しているの
か理解できない質問には、どうにもこうにも答えようがないじゃない。

質問を書く場合には、自分が何を質問したいのか、それを読んだ人がわかるよう
に書くように注意するといいと思うんだな。まあ、言うのは簡単だけど。なぁに、
それほど神経質になることはないんだ。

また、質問を読む人も、質問の文章が理解しにくくても、理解しようと努力しよ
うじゃないか。いや、それほど神経質になることはないだけどね。そして理解で
きた部分で、直接の回答でなくても、近そうな情報を出してみるというのも手だ
ね。

なにしろ、質問と回答ってのは、一人一回こっきりのものではないのだよね。質
問をして、何か反応があり、それを見てさらに質問者が、何を質問したいのか詳
細を述べたりもできるんだから。そうして、コミュニケーションをとりながら、
次第に、答えが出てくればいいんだからね。

そうなんだな。fj.*は、何回も往復のでき、大勢が参加することのできるコミュ
ニケーションのメディアなんだよ。だから、一回だけで完全にやろうと何も無理
することはないんだね。

あっ、これは質問でなくてもそうではないかな。一回で完全に伝達できなければ、
何度でも往復すればいいし、一人がだめなら皆でやっちまえばいいんのだな。も
ちろん、なるべく伝達効率の良いように書く努力は必要だけどね。そして、人に
読んでもらいたいと思うのだったら、読んでもらえるように書く努力が必要だな。

伝達の為の努力は必要なのだよ。でも、一回で完全に伝達しにくいことや、何度
も往復でき、何人も参加できるってことも考えて、それをふまえて、なるべく効
率的な伝達の方法を、各自自分の身につけてほしいものだ。

さて、質問記事を出して、答が得られたとするぞ。そういう場合には、fj.*では、
まとめ記事を書くといいといわれておるな。質問が解決した時に、そのまとめを
書くと、その事に関心を持っていた他の人も重宝するし、FAQリストを構成する
場合にも役に立つではないかな。

それだけでなく、その答が正しいかどうか、皆が再チェックする機会にもなるの
だよ。それに、まとめを見た人から、もっといい回答、もっと正しい回答とかも
が得られるかもしれないんだな。もちろん、結果がどうなったかを知りたいとい
う、人の好奇心を満たすこともできるわけだ。

いや、まとめ記事というのは、何もfj.*では義務ではないのだ。しなくてもかま
わないだろう。でも、fj.*という社会の一員としての礼儀として、質問への回答
があったら、何らかのお礼をしてもいいのではないかな。

もちろん、協力してくれた人への感謝としても、問題が解決したということを示
すためにも、何らかのお礼の意を示した記事を出した方がいいとは思うのだ。

単なるお礼でも結構なのだ。しかし、まとめを投稿すると、さらにfj.*という社
会の為にもなるとは思わんか。それは、fj.*に対して貢献することであり、単に
感謝を示すよりも、さらに大きな感謝の意を示すことになると思うのだな。

もちろん、単なるお礼の記事を書くのか、それとも、まとめを出すのか、それと
も何もしないのか、それは、各自の判断にまかされておるわけだから、自分で判
断をして行動すればいいのだな。こちらとしては、「まとめ」を出すことを勧め
たいと思うぞ。

あと、結構ありがちなのは、質問したのに、誰からも何の返事がない場合という
のがあるな。

まず、さきほどもいったと思うが、fj.*を読んでいる人は、質問に回答する義務
があるわけではなんだな。それどころか、回答する人は、親切にわざわざやって
くれておる人なわけだ。そこをまず間違えんでほしいな。

あと、こういっては何だが、質問のしかたが悪かったのかもしれないし、たまた
ま、それについて情報のある人が読んでなかった、そもそもその専門家がいなか
ったのかもしれんわけだ。

だからとにかく、期待した解答がないからといって、fj.*不信にならないでほし
いのだな。そもそも、fj.*に対して、過度な期待をするのは、精神衛生上よくな
いのだ。過度な期待をしていると、失望も大きくなるということだな。だから、
ダメモトぐらいで、気楽にしてもらいたいのだ。

あと、fj.*でしばしば見られることなんだが、その会社の製品だからといって、
その会社の人に回答を期待するのはやめてほしいものだ。

まず、その会社にいるからといって、その会社の製品全てに詳しいわけではない
のだな。大きな会社になると、部署が違えば、製品だの何だのについては、全然
わからないのが普通なのだ。むしろ、外の人の方がよくわかるぐらいなのだよ。

また、たまたまその製品の担当者の場合もあるだろう。そういう人は、内部まで
良く知っているはずだな。だが、直接回答すること自体が、会社員としての守秘
義務違反になる場合もあるわけだ。また、その行為が営利行為になるのを心配し
ている場合もあるわけだ。一応、fj.*ではん、非営利という原則が主流だからな。
そして、なにより、会社内部の制限で、新製品の場合だと、ある期日までは回答
できない場合もあるのですな。

だから、担当だからといって、回答できる場合とできない場合があることは、承
知しておいてほしいものだ。

そういう観点からいっても、ネットで特定の会社の人の説明を求めるのは、その
会社に直接電話して、そこから担当者に聞くのよりも効果的でない場合が多いの
ではないかと思うのだ。

もちろん、その会社ではなく、そのユーザである人達からの生の声の回答が期待
されるので、ネットに質問すること自体は無駄ではないとは思うから、質問自体
は、どんどんとしてもするべきだな。

でも、その会社の人に回答を期待するのは、ましてや、その会社を指名して「回
答せよ」とせまるのは、少なくともfj.*では、好ましくない行為といえよう。

fj.*では、皆、個人の資格として参加しているという建前なのだから。そういう
「○○の人、回答して下さい」的な質問はするべきではないと思うのだ。

同様に、個人参加という建前からいえば、議論している場合にも、議論の相手に
ついて、所属する組織についてまで言及し、「だから、こんなことを言っている
奴のいる○○という会社は駄目なんだ」などと言うのは、マナー違反と思われる
場合が多いのだ。

fj.*では、相手について、その所属する組織をどうこう言ったり、所属している
から回答する義務があるかのような発言は、読んだ人が嫌悪感を抱くことが多い
ので、その観点からいって、避けた方が無難なのだ。

もちろん、fj.*では発言の自由があり、よって、「嫌われる自由」も存在する。
しかし、初心者の皆さんは、何も非常識な嫌われ者になるような発言を、あえて
しない方がよろしいと思うのだが、如何であろうや。

それから、連絡するのに、「どこどこの誰それ」の電子アドレスを知りたい場合
もあるだろうね。それを聞くのに、fj.net-peopleで聞いてみるとか、その組織
からいっぱい投稿している人に聞くとかそういう方法もあるな。ネットが小さか
った頃の昔には、Postmasterに聞くという手もあったな。どれがいいかというの
がちょっとした議論になっておる。

でも、どの方法にしても誰かの手間が必要になるんだな。聞いてみて答えるのに
手間がかかるんだ。何千という人のいる組織だと、捜すのにも手間がかかるんだ。
だから、いくら自分が知りたいからといって、あまり気軽に聞くってのも問題が
あるんだ。

それに、いかに自分が知りたいとはいえ、誰それについてのプライバシーの情報
を書いて聞くのも問題があるぞ。「こないだ結婚したけど嫁さんに逃げられた」
なんてのをfj.net-peopleに書いたら、ちょっと問題あるとは思わないかな。

だから、まあ、「自分が知りたい」ってのはわかるけど、あまり自己中心的にな
って、他の人のこととか状況とかをあまり考えない行動をしてほしくないな。こ
れは質問ということにかぎらず、何でもそうなんだ。

どうもネットワークにいると、ちょっと自己中心的というか、独善的というか、
そうなってしまう傾向があるんだ。だから、何かを質問する時には、応えて答え
てくれる相手の立場に立つという姿勢を、常に強く心がけてほしんだな。

以上、質問と回答について、関連する講義であった。では、起立、礼、着席。