最初から頭がウニになるぞー、でもやっぱりこれが最初なんです、基本なんです
まあ、生物の設計図のようなものです。車でも設計図がないと同じものは作れませんよね。親から子へ同じ性質を伝える設計図のことだと思ってください。遺伝子は、設計図の一つの文であり、たくさんの遺伝子が集まって生物はできあがります。
現在の進化論とは、この遺伝子についての議論だといってもよいほど、進化論の中心です。
遺伝とは、普通は親から子供へと同じ形質を伝えることですから、進化を邪魔することになります。この遺伝子をどうしたら変化させることができるのかが進化論の中心になります。
進化論で重要な遺伝子の種類は、対立遺伝子と複数同義遺伝子です。
対立遺伝子とは、赤か黒かのように、はっきりと形質が分かれる遺伝子です。メンデルの法則が通用します。
両親から遺伝子を受け継いでますから、遺伝子は同じ形質について二つあるわけです。
その形質が質的な形質、つまり血液型のようにA型かA型でないかが、はっきりと分けることができる形質についての遺伝子が対立遺伝子と呼ぶことができます。両親共に必ず同じ形質になるような、キリンの首が長いなどの遺伝子であると、主遺伝子と呼ぶことがあります。
複数同義遺伝子とは、だんだんと形質が変わる身長とか体重の量的な形質の遺伝子です。たくさんの遺伝子が同じ形質に影響します。環境や行動によって生まれてから変化した性質(獲得形質)と一緒になって,どこまでが遺伝子の影響かわかりません。
たとえると、対立遺伝子は、二枚のうちどちらかを採用しなければならないような重要で取り替えのできない部分の設計図であり複数同義遺伝子は色を染めるペンキの量になります。
複数同義遺伝子で、その数が多いのをポリジーンと呼びます。
ポリジーンは、量的形質の変異を生み出す遺伝子群です。多くの遺伝子が同じ形質に補足的か累積的に影響を与えるため、異常な突然変異が一部で発生しても形態に致命傷を与えることがありません。そのため自然選択に関係なく高速で変異を起こすことができます。ここでの突然変異は遺伝子の変化というよりはその数の増減と考えたほうがよいでしょう。
ポリジーン形質は、主遺伝子の許容範囲であれば変異が速いのです。しかし、主遺伝子の許容範囲までしか形態に影響できません。
これは、セントバーナードからチワワまで、余りにも格差がある犬の差異は、人類に飼われ始めてからできたことからも理解できるでしょう。それらの変異はポリジーンによって支配されていると考えられています。
ポリジーンの詳細な研究は多彩で多量な遺伝子群が絡んで、芳しくありませんが、進化の主役ではないかという声も多いのです。
遺伝法則の代表的なものです。
1.対立形質(対立遺伝子)では、第一代雑種には優性形質が現れ、劣性形質は隠れます(優性の法則)。
2.第二代雑種では、優性形質と劣性形質の割合が三対一になります(分離の法則)。
3.対立形質は独立して遺伝します(独立の法則)。
まあ、優性と劣性の関係、染色体と遺伝子の関係を理解していれば特に覚える必要はありませんので説明はしません。
対立遺伝子で優性遺伝子が他方をおさえて発現することです。おさえられて発現しない形質を劣性といいます。
生物は細胞でできています。細胞の中には核があります。核の中に染色体があります。染色体の上にDNAがあります。このDNAが遺伝子でできているのです。
遺伝子は大切なものです。ですから、核という金庫の中に厳重にしまっておくのです。
染色体は、両親からのものがペアになっています。
いうなれば、染色体は、両親の遺伝情報のノートのようなものです。大切なノートです。そのノートのそれぞれのページがDNAであり、そのページに書かれた一文一文が遺伝子なのです。
遺伝子は、情報であって、直接に生物を作るわけではありません。
遺伝子は大切なものなので、核から外に直接には取り出せないようになっています。それで、DNAはRNAに書き写されます。
RNAはDNAをコピーしたメモのようなものです。
RNAは核の外にでてリボゾームで、その情報は翻訳されタンパク質が作られます。ここで、タンパク質というのは酵素のことだと思ってください。酵素とは、ある化学反応を簡単におこすようなタンパク質です。触媒になるのです。
酵素ができることで、細胞の中でいろいろな化学反応がおこるのです。
いってみれば、DNAもRNAも難しい設計書だったのが、わかりやすい声にかわったようなものです。「こら、そこ、それもって、あっちに運べ」とかの怒鳴り声が酵素なんですね。