▲Pumpkin Time▼  小説・俳句  鬼っ子物語   

 鬼っ子物語2

 鬼っ子ちゃんたい、鬼っ子ちゃんがおらしたよ、柴犬のお巡りさんがわんわん吠えます。雉も、早く物語を終わらせたいためにケンケン泣きわめいています。
 すると、その後ろの騒ぎに気が付いた鬼っ子ちゃんがふっと振り向き、不思議そうに桃太郎のまるで珍問屋か暴走族のような珍妙な集団を見つめました。

 もちろん、鬼っ子物語の主人公はタイトルから分かるとおり、鬼っ子ちゃんです。鬼っ子ちゃんは近頃珍しいこのサイトの熟読者でもあり、前編での経緯はよく意味が分かってはいませんが熟知しています。鬼っ子ちゃんは、主人公の自覚を持って対処しなければと考えました。鬼っ子ちゃんは兵法に詳しく、この場面での対応を古今東西の兵法から求めることをここに決意していました。第六組【敗戦の計】の第三十六計【走為上】・・・さっ、逃げるぞ! 鬼っ子ちゃんは城内を駆け出しました。
 ケーンケーン、雉が泣きじゃくりながら追いかけ始めました。逃げないでくれー! 早くこの物語を終わらせたいんじゃー! 桃太郎は、疲れることは嫌いなので近くのベンチに腰掛け、待てー、と面倒そうに言いました。猿は止まれーと大声で桃太郎の横に座りながら叫びました。柴犬のお巡りさんはサガというものでしょうか、走るものは無条件に追いかけます。わん、わん、と鬼っ子ちゃんと雉を追いかけていきました。
 しかし鬼っ子ちゃんはインラインスケートの牛深地区の三位に入る腕前です。鬼っ子ちゃんはインラインスケートを履いて、ミジンコのように城内を縦横微塵に、違った、縦横無尽に逃げ回ります。

 大騒ぎしながら、時折、城内の見物人にうるさいと説教されながら、鬼ごっこは続いていきましたが、遂に、柴犬のお巡りさんが雉を捕まえて、くわえたまま、桃太郎の元に持っていきました。はっ、はっ、褒めて、褒めて、としっぽを思いっきり振り回しています。
 バカか、おみゃーは、仲間を捕まえてどぎゃんするたい、桃太郎は柴犬のお巡りさんに釣り天井をして懲らしめました(犬に釣り天井は辛そうだ)。

 その間に、鬼っ子ちゃんは城の床下から井戸に抜けて、抜け穴の残骸をくぐり抜け、錦鯉の泳ぐお堀に出てお堀に浮かぶ鬼ヶ島に逃げ込みました。

 

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