平城京

710(和銅3)年、元明天皇は、都を藤原京から奈良盆地の北、奈良山を背におう平城京に遷した。日本古代の黄金時代とうたわれる奈良朝70余年の歴史が、この都を中心にくりひろがれるのである。遷都のことは、2年前の和銅元年2月に決定された。藤原京への遷都からわずか15年目である。このときの詔に、 「方今、平城の地は四禽図に叶い(四神相応の地をいう)、三山鎮を作し、亀筮ならびに従ふ。 宜しく都邑を建つべし。」とある。

大宰少弍小野老朝臣の歌一首

あをによし寧楽の京師は咲く花の薫ふがごとく今盛りなり

(万葉集;巻3−328)

大伴坂上郎女の、元興寺の里を詠ふ歌一首

故郷の飛鳥はあれどあをによし平城の明日香を見らくし好しも

(万葉集;巻6−992)
奈良遷都1250年記念