「知って欲しい多摩地域のすがた!!」
多摩というと、多摩市、川崎市の多摩区などを思い浮かべる人もいるようです。しかし、我々の住む多摩地域は、
東京都の西側2/3の面積を占める所で、東京都の区部を除いた地域を言います。
”TAMAらいふ21”でも明らかにされたように、
いろいろな曲折を経て100年程前に、神奈川県から東京都に編入された経緯があります。それでは多摩のすがたを概観してみましょう。
概況:
昭和30年以降、急速に人口が増加する中で、農地・緑地が徐々に減少した。かなりの地区がベッドタウン化し、これが拡大している。多摩らしい独自性や魅力が薄れがちであると言わざるを得ない。
また、地域の若者はまちに出たがり、高齢者用施設が増加している。
一方、業務副都心計画が進行中であり、立川・八王子、府中、町田、秋川などでは、駅前再開発が進んでいる。
郊外型にはなっていないのが面白く、幸いである。これを活用した文化・産業の再構築を自然環境を活かしながら推進することが必要であろう。
市町村:
多摩地域の各自治体は、市町村と都の縦の関係で繋がっている。ゴミとかの問題ではやむを得ない状況での多数決的な連携(組合)があるが、前向きの連携は少なかった。
しかし、最近では武蔵野市など複数の都市が連携して積極的な”まちづくり”を指向するケースが出て来た。
今後の周辺地域への影響が期待される。
産業界:
産業面では、電機を始め大手企業の工場や研究所が多く在る。
しかし、本社は都区内にあり、
地域産業界との交流・発展も期し、地域に根付いた分社化が望まれる。
今後の方向:
たまらいふ21で多くのプログラムが検討された。この時発足した幾つかのハード(箱もの)は、その後何とか単独での運営が継続されている。しかし、ソフト的な発展はスローペースに見える。
この時、構想やアイディアの状況であったものは、殆どがそのまま凍結気味であり、実現が待たれる事項が多く有る。多摩365万人は、静岡県に匹敵する人口でありこれに相応しい在り方が追求されてしかるべきである。
再度フィージビリティを吟味しつつ、実現に向けた仕組みと仕掛けを検討・実行すべきと思われる。
早く、バブルのイメージを除去し、本来の姿を取り戻したいものである。
地域文化と連動した産業界の取り組みを、ボランティアがサポートする図式を描いてみたい。
課題のまとめ:
独自文化/らしさの魅力による、自立地域/都市への展開のためには、個別課題への取り組みに加え、市民の多面的な交流と行政・産業界の広域連携による統合的展開が必要と思われる。
具体的な課題を列挙しておきたい。
・自然環境の保全と改善(水、山、緑、花):森の再興・・・土地提供の有志は誰?
・在住人材の貢献による文化・産業活動の活性化:木の文化と手仕事の復活
・新しい共生型産業・商業・観光への取り組み:2.7次産業化
・直接的国際交流の促進:時間的に近い空港
・地域内交通接続の革新:マルチモーダルな接続重視のダイヤ
・職・住・遊近接のまちづくり:住民ネットワーク主導
・多摩に多い大学の実際的な貢献:Capital & Creationのコーディネート
「多摩に係わる書物紹介」
もっと知りたい方のために、詳しい書物を何冊か紹介しておきます。
1)「ぐるっと多摩 全10巻」:東京電力多摩支店・・・傑作である
2)「多摩学のすすめ T、U」:東京経済大学
3)「東京と三多摩」:東京市町村自治調査会
4)「TAMA もうひとつの東京」:東京市町村自治調査会
5)「多摩百年のあゆみ」:多摩百年史研究会
6)「五日市憲法草案の碑」建碑誌:五日市役場記念誌編集委員会
「TAMADEC INTRODUCTION」に戻ります。
”たまに行くならこんなとこ”に戻ります。