「多摩の身近なそば屋レポート」のポイント。
◎他で紹介されていない店(末尾の参考図書にはすばらしい店が
紹介されている。)
◎予約の必要がなく、清潔でキビキビとして、ゆったりとした空間がある。
◎そばは手打ちである事。
◎冷たいそばを対象にしている。
◎最後に出てくるそば湯をいただくとき、ツユとのハーモニが良い事。
◎値段も大いに参考にしている(この値段でこの蕎麦がと言う点)
◎現在のところ国立・立川・日野・八王子・青梅線沿線の駅周辺で
歩ける範囲に偏っている事は容赦願いたい。
店内配置を頭に描いてもらおう!
玄関から真っ直ぐ奥まで続く廊下が四角な店内を左右に2:1に区切っている。
右は細長い畳敷きの席で掘り炬燵形式
左は奥1/2が厨房、手前1/2がテーブル席になっている。
4人掛けのテーブルに分厚い1枚板を用いているのも珍しいか?
メニューは
・そば
・酒肴一品料理
・そばと酒肴のセット
・甘味・日本酒
で構成されている。
これだけゆったりした空間では 「おすすめ御膳・山コース\3,300」 を試してみたいところ
ではあるが最初はやはり「ざるそば」にする。
つゆには「辛口」と「やや辛口」の2種類があり、好みの方を選択できる。
書と生け花を見回す内にオーダーの品が来る。
器は素朴な中に落ち着きのあるやや女性的なものでよく手にフィットする。
満席時に来てみたい、同じ器が2つあるものかどうか
そばは次回レポートしよう
帳場の上の壁に山泉の屋号を書いた額がある。
店内のあちこちにいくつもの書体が見られるが同一人物の手になるもののようだ。
「矢崎蕎麦道場」の文字が認められる、スクール開設の構想があるとか。
素通しのガラス越しに、蕎麦打ち場を覗き込みながら
店の周りを半周し、ようやく入口へたどり着く。
店内は山小屋風でありながら、雑さがなくゆったりと、いごこちのいい
空間を演出している。壁の白がとても印象的。
靴を脱いだがスリッパなし。
その筈である寒い時にはありがたい床暖房であった。
もちろん注文は【せいろそば】。
思った通り柔らかな盛付け、蕎麦一本一本が生きている様に見え
食べる前から喉ゴックンである。
蕎麦は太からず細からず私ごのみで、つゆはやや辛と辛が選べるのもいい。
週末家族の為に席を予約、今度は蕎麦会席にしてみよう。
味、気分共に最高、うれしい店の発見である。
ここを案内してくれた友の背中が大きくみえました。
メニューの一部を紹介しておこう | |
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刺し身コンニャク | 煮タコ |
ワカメ・コンブ | モツ煮込み |
煮物 | チーズかつお |
ひじき | 枝豆 |
筍うま煮 | おでん |
椎茸 | 板ワサ |
いかそうめん |
南口ウィンズ方面を過ぎクレストホテル(旧錦町交番)通りを相互銀行方面に向かう、南部線
横切り2つ目の小地右折30M右(すぐ向こうに西国立駅が見える)
駐車場有り。
立川駅北口通り直進曙町2丁目交差点を日野橋方面に向かい50M左「うなぎ」「総合割烹大漁」の
大きな看板が見える。下に小さく9.5割蕎麦と書いてあるのを見つけた。
試みに入ってみる。
ザルそば¥892を注文すると
「1.5人前程あるザルそば・小鉢サラダ・茶碗蒸し・スシ2個」のセットが出て来る(夜は別の様だ)
讃岐うどんをメニューにしている関係で そば も地下でつくっているとの話である。
9.5割そば が看板通りとすると捨て置けぬ存在である。
粉は細かな物を用いている様だ。
麺の寸法が一定なところを見ると機械打ちの様に思う。
昼食にそばを食べたい方にお勧めの店。
つなぎに小麦粉の代わりに海藻を使うのが特徴。元来接着剤にも用いるとはいえ、どの位の%を打ち込んでいるものか、歯ごたえとのど越しが良い。
海藻に由来するヌメリを除去するために、ユデた後かなり水にさらす様だ。
さらし過ぎの上、冷たいのでソバの味が消滅しているのは宿命として、ツユを開発するのがヘギソバの課題と思う。
健康そばのヒントになりそう。
常滑焼を思わせる広口の深皿が素朴でこの食べ方に合う。そば湯はトロッとしてかなり濃い。
「地酒あります」と意味不明の貼り紙、「そば前を冷やで」としたらさてどう出るか。:感想2参照
備前風あり、瀬戸風あり、砥部風あり。1つ1つ異なる器、そば猪口版画集、多摩壮士社の書体。
これらから推定するに、強力な後援者(会)があるに違いない。
2度目に訪れると、テキパキと動きの良い奥さんが「前回奥の席でおろしそばを召し上がった方ですね」ときた。
キョトンとしていると、「自転車でゴルフバッグを持って来た方ですね」とまたまた一本。
店の外まで気を配り、忘れ物はないか、紛失など無い様にとの気持ちがうれしい。
そう言えば、さっき若い男女の客は、向かい合わせに席に座らず、隣合わせに座っていた。
そういう客層でもデイトスポットとして気軽に入れる、安心出来る店。健闘を祈らずにはいられない。
薄味の柔らかな焼き玉子、そば豆腐の揚げ出しはナメコ味を十分に取り込んだ上品な味に仕上がり、
お酒は多摩の冷酒が間口の広い小鉢風の陶器で出てきて、色と香りがのぞき込める。
お店で薦めてくれたホタテの田宝(でんぽう)焼きはユリ根とホタテの合え物に、揚げた蕎麦の実が
チョコンとのった山海の珍味でいかにも蕎麦やさんの一品である。
待望の”せいろ”も期待通り。冬の冷水でしっかりしめられた、まぎれれもない手打ち味である。
2番粉を使った二八の味が旨い。
和室に7席、囲炉裏が1つ切ってあり、輪切りのサツマイモを遠火で焼いている。
そばは二八の中細、そば粉のニオイがする。
固くよく締まっている、きっと
・加水率を低く押さえ、力強く回数もかなりの回数こねているのではないかか。
・茹で時間は短く、晒しも短時間で効率良く
・水切りの技術も優れたものがあるに違いない。
ツユはそばに負けているか?
東京ではめずらしいそばだ。
隣が資料館で館長は亭主の弟さん。
武井家の資料が常設されていて、中に人間国宝:藤井能道との交流の説明書と
作品(徳利2つ)が展示されている。
聞けば、開業1年、そば職人は戸隠うずらやから招いたとのこと。
あれが戸隠のそばなのかと合点が行く。
図書「信州・戸隠手打ちそばの技術」によれば、こねの回数は360回位とある。
「あいにく雨、彼岸には珍しい寒い日だったが吉野梅郷の梅見客で道路も土産物屋もそば屋もいっぱいだった。」
さて、そばだが黒板に「本日の産地 北海道(斜里、沼田)」とある。
この意味はメニューの項を参照。
注文の品が出てくるまで、熱波にのってかすかにそして徐々に近づいてくるお囃子を聞きながら利き酒セットB¥850を試す。
セット内容は 武勇 茨城(紬の里結城)
世界一統(特撰) 和歌山(昔の特級酒クラス)
獅子の里(超辛口本醸造) 石川 創業安永元年南部杜氏
この店は客筋が良い、近隣の知識人が常連の様子で先生と呼ばれる人が多い?
件の待合席で夫婦でビールを飲りながら、そばもここでいいよなどとおっしゃる。
そばは手作りのほっこり感のある細打ちで間違いなく手打ち手切りでしょう。
息子さんはそばの産地に出張しているとの事、60代と思われるご主人はどこで修行した訳でなく自分流との事、
親子2代でさらしん流を確立してくれる事でしょう。
さらしなそば(ご膳そば)→そばの実の中心1番粉(約15%)のみを使ったのどごし
、口当たり良い格別なおそばです。
変りそば→土、日、祝日のみ一品だけ打ちます。さらしなそばに色々な材料を混ぜ打ったそばです。
変りそばを代表するゆず切りをはじめ茶切り、菊切り、よもぎ切り、けし切り、桜えび切り等
旬の物を中心に打ちます。当日の変りそばは店内ボードをご覧下さい。
わさび→静岡県天城の浅田憲太郎さんの農家より取れたての新鮮なわさびを直送しています。
辛味大根→おろしそばだけに使用しています辛味大根は信州の農家より直送しています。
かつお節→土佐、枕崎の物を当店で蒸し、削りを使用しています。
地酒→銘酒、菊姫大吟醸をはじめ当店が選び抜いた地酒8種類を取り揃えております。
参考図書の一覧を紹介します。 | ||
---|---|---|
そば読本(全国37店) | 中公文庫ビジュアル版 | |
東京 蕎麦・うどんハンドブック(こだわりの360店) | 高橋書店 | |
多摩くいしんぼうブック3 | ||
国立・立川・青梅線エリアの100店(蕎麦7店) | けやき出版 | |
日曜日の遊びかた 手づくりの蕎麦うどん | 雄鶏社 | 藤村和夫 |
そば読本 | 平凡社 | 宮下裕史 |
フーディアム手作シリーズ | ||
手打ちそばのすすめ | ファイデムコミュニケーション | 鵜飼良平 |
信州戸隠手打そばの技術 | 旭屋出版 | 戸隠商組合 |
料理と食シリーズbS | ||
そばうどん麺料理 名店・繁盛店のそばうどん200品 | 旭屋出版 | |
江戸そば一筋 | 柴田書店 | 堀田半七郎 |
そば・うどん百味百題 | 柴田書店 | 日本麺類業団体連合会 |
くるるNo.13 | 日清食品 | |
めん料理(全国37店) | 中央公論 | |
蕎麦打 | ちくま文庫 | 加藤晴之 |
そば蕎麦百珍 | 柴田書店 | 福田浩 |
そば・うどん技術教本 | ||
第一巻 そばの基本技術 | 柴田書店 | 日本麺類業団体連合会 |
第三巻 そば・うどん応用技術 | 柴田書店 | 日本麺類業団体連合会 |
蕎麦辞典 | 東京堂出版 | 福原路朗 |
蕎麦の世界 | 柴田書店 | 新島肇 |
そば・うどん26 | 柴田書店 | |
ベストオブ蕎麦(150杯) | 文芸春秋 | 麺’S CLUB編 |
健康食そば | 農山村文化協会 | 那須圭介 |
手打ちそば天下一品 | 創森社 | 池田好美 |
絶品のそば百店 | 毎日新聞社 | 毎日ムックアミューズ編 |
料理百科B特集そば | 柴田書店 | |
料理と食シリーズNo.25 | ||
そば・そば料理 | 旭屋出版 | |
そばしょくにんのこころえ | ハート出版 | 藤村和夫 |
そばの科学 | 新潮選書 | 長友大 |
そばの本 | 双葉社 | 蕎麦さろん編 |
蕎麦(別冊サライ) | 小学館 | |
そば通の本 | 小学館文庫 | サライ編集部編 |
料理百科N、27 | ||
特集1 そば・うどん | 柴田書店 | |
SOBA | KODANSHA | James Udesky |
蕎麦百景 | 三一書房 | 淀川寛治 |
名店案内そば店100 | 柴田書店 | |
TRAIN VERT9 | ||
特集 信州そば | JR東日本企画 | |
蕎麦と生きる | 柴田書店 | 岩崎信也 |
信州そば辞典 | 郷土出版社 | 中田敬三 |
自然流「だし」読本 | 農文協 | 船瀬俊介 |
日本の醤油 | 三水社 | 川田正夫 |
ソバ屋で憩う | BNN | 杉浦日向子とソ連編 |
男がつくる手打そば入門 | 成美堂出版 | |
NHK趣味悠々:男のためのそば打ち入門 | NHK | |
そば打の本 | 双葉社 | そばサロン |
おいしい蕎麦を探す | 展望社 | 太野規郎、TGそばの会 |
蕎麦屋で酒を飲む | 小学館 | サライ編集部 |
蕎麦入門 | カラーブックス | 新島繁 |
そば読本 旨いそばに出会う為に | 中央文庫ビジュアル版 | |
多摩のグルメガイド 身近な街の花まるそば・うどん | のんぶる舎 | |
OYSYそば そば打を極める/全国200店ガイド | 柴田書店 | |
食品加工シリーズAそば 手打ち・そばつゆの技法から開店まで | 農文教 | 服部隆 |