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山下綺麗の日記 八

 

 生きていることは辛いことかもしれない。人は生きている限り考えるから。
 考えることを止めれば人生は楽になるが、きっとそれは人として生きているとは言わないかもしれない。

 私は生き残る。人を捨てても生き残る。世界が腐敗して腐臭が充満する中でも生き残る。私は生きる。屍のように生きる。髑髏が転がる中を生きる。
 バラと桜の花びらが、髑髏と腐肉の中に舞い落ちるように、生命はこの世に産み落とされる。花びらはその美しさの役目を終わらせた、花の死骸。死は生命の源だから、命は死の源。

 死は生のためにあり、生は死のためにある。生死に意味を求めるのは人の定め、人の性。意味はない。なにもない。意味は作られるもので、存在するものではない。発明されるもので発見されるものではない。

 花は咲く。色とりどりに咲く。それでよい。美しく咲く。そして枯れる。散る。

 プレゼントは心を込めて、心を込めても、相手には分からない。

 生まれてきたことは、神様から祝福されたってことだよ。だから、誰も生まれてきたことを非難することはできないんだ。これは誰の言葉だったのだろう。