1998 News and Commentaries


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宿題の山を残して7勝9敗

ついにトンネルを抜けることなくシーズンを終えてしまった。あれだけBettisが走ってたったの3点というのだから尋常ではない。エンドゾーンでTDパスをポロポロやってくれるし、あきれてものが言えない試合だ。

なぜこんなことになってしまったのか、チームは徹底的に分析してもらいたい。ファンはマスコミは、Cowherが悪い、Shermamが悪い、Stewartが悪いといった話題で盛り上がるかもしれないが、重要なのは、これらの当事者たち自身が冷静に分析して納得することだ。お互いに相手に不信感を持ちながらズルズルいくわけにはいかない。チームがこれからどのように立て直しにかかるのか、注目していきたい。

(98.12.30)


ドロ沼の4連敗、プレイオフ消滅

今週もオフェンス崩壊、ついにプレイオフ進出の道も断たれた。まさかクリスマス前に今シーズンが終わることになるとは予想もしなかった。最終週のJaxとのマンデーナイトゲームなどは、誰がみてもプレイオフの行方を左右する注目の試合になるはずだったのが、単なる消化試合となってしまった。

とは言っても、その最終戦にスティーラーズは負けるわけにはいかない。現状のチームの問題点を解決しない限り、来期への道は開かれない。せめて今期の課題を克服してからシーズンを終えてもらいたい。連敗もここでストップしておかないと、来年の9月まで連敗を引きずることになってしまう。さらにJaxとはこれまで共に敵地での勝利がないわけだが、せめてこのあたりで一矢報いておきたいところだ。地区優勝のチームに2勝という記録を残して、来期への財産にしてもらいたい。さらに相手は同地区のライバルチームだけに、優勝争いなど度外視しても勝ちにいかなければならない試合だ。スティーラーズには、勝たなければならない理由がこれだけあるのだ。

本来、全米が注目するはずの試合だったのが、誰も興味がない試合になりつつあるが、スティーラーズファンとしては、この絶対に勝たなければならない試合、今期最後の試合の戦いぶりをしっかりと見ておきたい。

(98.12.27)


3連敗

3連敗なんていつ以来だろうか。

(98.12.14)


連敗

今シーズン初の連敗。ここ数年、11月から12月にかけて強くなっていくのがスティーラーズのパターンだったのに、今年は逆に弱くなっていく気配。地元の試合なのに、絶対負けられないという気迫が伝わってこない。相手のミスを生かせず、自分たちのミスは致命傷。

チーム内に何かしっくりいかないことでもあるのでは、と思いたくなるくらい。Cowherさん、なんとかならんのですか。神様、助けて。お願い。

(98.12.7)


地区優勝が見える?

ライオンズに負けてワイルドカードでのプレイオフ進出も危ぶまれる気がしていたが、もういちど冷静に考えてみると、なんとなく地区優勝の可能性が見えてきた。...ような気がする。

まず今後の3試合のうち、2試合は地元。Bengals戦は楽勝(でないと困る)。で、もうひとつのPatriots戦は、相手もプレイオフがかかっているから楽観はできないものの、JaxやPackersをきっちりと破ったように地元での強みを見せてくれるに違いない。(準備期間もたっぷりあるし)

残る1試合は、適地ながら相手のBacsは、おそらく今週末にPackersに破れて8敗となり、プレイオフ進出がほぼ絶望となった死に体。と、いうことで、かなり有利な展開が期待される。これで3勝だ。

一方、Jaxの今後3試合をみてみると、地元でのLions、Oilers戦は落とすことはないとしても(我が方はこの連中に負けているのが痛いが)、3つ目のMinnesotaでのゲームは相当きついはずだ。現在11勝1敗のMinnesotaはPackersに2戦2勝、しかも、ともに2桁の点差。唯一の負け試合もわずか3点差という成績。実力は疑う余地のないところだ。順当にいけばMinnesotaの勝ちで、Jaxは今後3試合を2勝1敗といった成績で終える可能性が高い。

そうなると、最終週のマンデーナイトゲーム前の段階で、SteelersはJaxを1ゲーム差で追いかける展開になる。その場合、得意のマンデーナイトで、バス、パス、バス、パス... と攻撃陣爆発。両者11勝5敗で並んでシーズン終了。直接対決で2勝しているスティーラーズが地区優勝。Jaxはワイルドカード行きだ。

これは少し楽観的な予想に見えるかもしれない(確かに彼らはここまで9勝3敗という立派な成績を残している)。しかしJaxって本当にそんなに強いのだろうか。

ここで、彼らのこれまでの成績をもう少しよく見てみよう。これまでの対戦相手の中で、5割を越える成績をあげているのは4チーム。そのなかでMiamiには辛うじて勝っているものの、Pitts, Denver, Buffaloには敗れている。つまり、強いチームには1勝3敗、5割以下のチームに8勝0敗という内容だ。大一番には意外に脆い。

スティーラーズとしては、今度のNE戦さえ乗り切れれば、明るい展望が開ける。決してあきらめてはいけない。もちろんCowherも選手たちも、この段階であきらめるような連中ではない。きっと地元で凄い試合をしてくれることだろう。

地区優勝の希望の光はまだまだ消えていない。
(98.11.30)


痛い5敗目

スティーラーズもライオンズも審判もミスの山。

10点リードの試合、しかもBarry Sandersのランを完全に封じていただけに、勝てる試合だった。去年までのスティーラーズは、接戦を勝ち抜くのがうまかったが、今年はどうもうまくいかない。オフェンスではBettisがまだ本調子でなかったのが痛かった。ディフェンスでは、相手がパスを多用してきた後半に崩れた。Lakeも本調子でないためか、狙い撃ちにあった形だ。彼の側へのロングパスを簡単に決められてしまったのが痛い。

Sandersは結局20回走って33ヤード。ロスする場面も再三見られた。このあたりのディフェンスはさすがと言って良いだろう。途中、相手QBが首筋を痛めてReichに代わったあたりでは楽勝かと思われたが、その後戻ってきた先発QBのBatchにやられた。彼はピッツバーグ出身のスティーラーズファン。敵ながらなかなかガッツ溢れる良いプレイを見せていた。彼が首を痛めた場面は、強烈なブロックでランナーを助けた。とてもQBとは思えない気合いの入ったタックルだった。試合に復帰してからは、ロングパスを次々に決めていった。8万のファンの後押しもあったが、彼のペースを断ち切れなかったのは残念だった。

今年、負け試合のあとは、必ず敗因を克服して勝利につなげているし、今度は10日間の調整期間もあるし、次の試合には快勝を期待したい。そういえば今年は大勝・楽勝がないが、そろそろ試合後半にもつれない試合を見せてもらいたいものだ。期待しよう。

(98.11.27)


Washington大活躍

今シーズンWashingtonは何度インターセプト確実なボールを逃してきたことだろう。ボールが彼の手をスルリと抜けて相手レシーバーの手に入った場面が何度もあった。ボールを確保する前から走り出すことを考えているんだ、とか、あれがとれるようだったら立派なWRになっているよ、といった悪口を言われてきたが、この日ばかりは文句のない2INT。2リターンTDだった。

さらに、Taylorのランを67ヤードに押さえたランディフェンスもさすが。特に前半は完璧に相手オフェンスを押さえ込んだ。

一方、攻撃の方は、この試合もKordellが200ヤードを投げ、INTなし。このところの好調を持続させている。WR陣もビッグプレイを織り交ぜながら高い確率でパスキャッチをしてくれた。Bettisは依然として膝にプロテクタを付けた状態で、相手も徹底してマークしてくる状態だから、77ヤードも仕方ないところかもしれない。その分、パス攻撃が冴えているし。

ただ、残り4、5分でボールを持った時に、ジリジリとランで進みながら時間を使い切るような攻撃がこの数試合できていないのが気がかり。相手に最後の攻撃チャンスを与えてしまうのは、非常に危険だ。

このところ勝ったり負けたりでなかなか連勝ができないSteelers、次は木曜日のThanksgiving dayのゲームだ。マンデーナイトゲーム同様、全国中継のあるゲームだし、張り切って良いゲームを見せてもらいたい。

(98.11.23)


連勝できないSteelers

キッカーのNorm Johnsonを故障で欠いたため、夏のキャンプに参加後にカットされていたMatt Georgeと金曜に契約、土曜には練習に合流した。Johnsonの代役を果たすはずだったが、いきなりFGをブロックされる最悪の結果。しかも、彼のために失ったのは、その3点にとどまらなかった。

4Q残り4分、1点リードで敵陣25ヤード地点まで攻め込み、4thダウン1ヤード。Normが元気ならば、何の躊躇もなく3点とりに行く場面。しかしここで、Georgeが42ヤードのFGを失敗する確率が高いと見てギャンブルに出た。センターDawsonと右ガードのStaiの間から相手ディフェンスがKordellに突進。結局、それが逆点のFGにつながるという結果。キッカーの重要性を再認識させられる試合となってしまった。

攻撃面では、Kordellはいきなりパス成功8連発、2TDパス(1個は審判に助けられた感じだったが)など、先週に続いてなかなかの好調ぶり。ただ、1stダウンにあと数インチ残る場面が多いなど、ついていない部分もあった。肝心なところで1ヤード確実にとれなかったが、これは相手ディフェンスの頑張りに圧倒されたと言っても良い。Oilersは予想以上に強かった。

去年までのスティーラーズの良いところは、試合の後半のアジャストが素晴らしかったところ。前半にBettisが走れなくても後半爆発したり、ディフェンスも前半QBにプレッシャーを与えられなくても後半にはきっちり対応していたものだが、この日は完全に期待を裏切られてしまった。先週あれだけFavreを追い詰めたディフェンスがどうしたのだろう。積極的にBlitzをする様子もなかったし。攻守ともコーチ陣の対応に不満が残る試合だった。

来週はいよいよJax戦。地元での試合だけに絶対に負けられない試合。それまでにもう一度Busの走らせ方、積極的Blitzの仕方を思いだしてもらいたい。
(98.11.16)


YES!

地元でのマンデーナイトゲームはCowherがヘッドコーチになってから負けなしの7連勝となった。Steelers不利という予想の中で、素晴らしい試合を見せてくれた。

前半の4ドライブは、TD、TD、FG、TDとすべて点に結びつけた。前半10回の3rdダウンの場面で9回の1stダウン獲得と文句つけようのない内容だ。パンターのJosh Millerは後半まで出番なし。逆に相手は、FG失敗、Punt、Punt、halfと何もできずに前半終了24-0。こんな試合はいつ以来だろう。

なにしろ最初のドライブでいきなりTDというのも今シーズン初めてのこと。これで大きく弾みがついた。Bettis警戒のPackersにとっては、これだけパスを投げてきたのは予想外のことだったかもしれない。Hawkinsへのロングパスの場面では、4人のWRを1人と3人に分けて左右に並べるなど新しいフォーメーションが見事に成功した。3人がそれぞれ違ったパターンを走ることで相手ディフェンスは完全に混乱していた。

このあたりはShermanの思った通りの攻撃だろう。一方、少し後にWardが45ヤードのパスキャッチをした場面では、これと同じ形から相手の裏をかいて、今度は逆サイドのWRが1人しかいない方へ投げてWardがキャッチ。彼がキャッチした位置ではまだ6ヤードのゲイン。そこから相手タックルをかわしてロングゲインだ。なかなかの動き。彼にはこれからもっともっと活躍の場を与えてやりたい。

それにしても、前週のPackersの怒涛のディフェンスはどこへ行ったのだろう。Reggie Whiteが目立つ場面もほとんどなかったし(Tomczakの時以外)。OLのStephens, Fanecaといった若い連中がよくやってくれた。BettisのランとKordellのパスの混ぜ具合も良かったし、ここまで何かと非難されてきたShermanも面目躍如だ。

一方のディフェンス陣では、出場が危ぶまれていたLakeが出てくれたのが大きかった。相手をFG圏外へ追い出したタックルなど大活躍。それからJonesの2.5サックも立派。前週、相手に走られ続けたランディフェンスも完璧に復活した。

攻守がかみ合ったこの試合で、唯一反省すべき場面は4Q敵陣4ヤードまで攻め込んだ場面。試合後、Cowherが自分の失敗だったと認めた場面だ。この試合で怪我をしたDunnに代わってWRにkordellを入れてTomczakをQBに起用した。昔なつかしいKordell入りの5wideフォーメーションだ。

しかし、結果はQBファンブルからTDを許してしまった。仮にサックされてもFGで3点追加して27点差となる場面、ファンブルだけは避けたかった。まあ、これで流れが変わったと言ってもそれまでの貯金が大きかった。Favreもようやく目を覚ましたが、これでは遅過ぎだ。

マンデーナイトゲームだから、ちょっと面白いプレイを見せてやろうというCowherの勇み足というところだろう。大量リードの場面だったし、このプレイで彼を攻めるのはちょっとかわいそうだ。まさかファンブルするとは考えにくいし、やはりファンブルしたTomczakが悪い。

最後は、Bettisがこの日ちょうど100ヤードとなるランで1stダウンを獲得。ゲームセットとなった。これでマンデーナイトでの100ヤード以上のランが7試合連続となって、自分のもつ記録をさらに更新。チームの勝利にも大きく貢献した。

全員が期待された仕事をすればこんな試合ができるわけだが、問題はこの調子を持続できるかということだ。来週のOilersには絶対に借りを返さなければいけないし、そのあとのJaxとの試合も落せないのはもちろんだ。
Goooooooooooo Steelers!!!
(98.11.10)


守備崩壊

1QからEddie Georgeのランが炸裂。全くスティーラーズらしくないディフェンスだった。言い訳にはならないが、原因は故障者の多発だ。OLBのEmmonsを欠き、代わりに先週契約したConleyがスタメンで、完全に彼が狙い撃ちにあった格好だ。あまりに彼が狙われるので、仕方なくDonta Jonesに代えたが、彼も故障中でどうにもならない。

この他にもHenryも故障中だし、さらにLake, Royeも試合中に怪我をしてしまった。こうなっては、もうパニック状態だ。メンバが揃えば解決する問題とは言え、これから毎週のように強豪と当たるだけに、このままではプレイオフ進出も危険な状態だ。よくも次から次へと心配のタネが出てくるものだ。

一方、攻撃の方は相手がBettisのランを止めるのに集中したためか、パス攻撃は今シーズンで最もうまく言った形となった。Kordellは今シーズン初めて200ヤードを越えたし、CJ, Hawkinsは共に100ヤード以上のパスキャッチを記録し、さらにそれぞれ3TD、1TDという数字。チーム全体で340ヤード、31得点という今期最高の数字を見せた。

最も、これは試合の展開上、後半ほとんど長いパス攻撃となったことが原因だし、Kordellは3INTを配給した上、普段は90%以上の成功確率を誇る4thダウンinchesの場面も失敗に終るなど、決して良い攻撃だったとは言えない。ただ、前週の前半最後の2minオフェンスや、この日の4QにT'zakに代わってからの2TDを成功させたドライブなど、4WR+ショットガンからのノーハドル攻撃は、意外に効果的であることが判明。いざという時の武器にはなりそうだ。あとは、Kordellがこの試合で何かをつかんでくれたことを期待するだけだ。

スペシャルチームでは、後半開始のキックオフでのフェイクオンサイドキックが見事だった。前半の試合の流れを変えるには十分なプレイで、さすがカウアー、と思ったが、これでオフェンスが調子に乗れなかったのが痛かった。

それにしてもオンサイドキックを3度見せた上(2回成功)、2ポイントコンバージョンにも3回挑戦(全部成功)とは珍しい記録だが、逆に言えばこんなことをしなければならない試合展開だった訳で、決して褒められたものではない。この試合で唯一褒めるとすれば、ボロボロの試合展開ながら、最後まであきらめず、4Qに24点を取って、さらに必死で攻撃を仕掛けていったことだけだ。

来週は、Packersを地元へ迎えてマンデーナイトゲームだ。ディフェンス陣の故障の状況が一番心配だ。Kordellが別人のように大活躍、なんてことはないだろうか。
(98.11.2)


Dunn, Stephens, Fanecaに注目

2週間ほど前に契約したWRのDunnがおもしろい。あのサイズは魅力だ。チーフス戦でも2度ほど(10ヤードと24ヤード)パスキャッチを決めてくれた。相手CBが小柄だっただけに、1対1では完全に優位にたっていた。Kordellにしても、大きなターゲットは大歓迎だろう。あの大きさなら、キャッチ後のランも期待できる。3rdダウンlongの場面など、きわどい場面で1、2ヤード余計に稼いで1stダウン獲得という場面も期待できる。

また、相手ディフェンスが、CJやHawkinsだけでなく彼にも注意するようになってくると、パス成功の確率も高くなってくるはずだ。Kordell復活のためのキーマンになってくれるかもしれない。

一方、故障者に泣かされているOL。やっとWolfordが戻ってきたと思ったら、Strzelczykが今期絶望。しかし彼に代わって入ったStephensが大きなミスもなくプレイしてくれた。このところの先発出場でだいぶ自信をつけたようだ。かつてのドラフト1位がようやく本領を発揮しはじめてくれた。これからの急成長に期待だ。

そしてルーキーのFaneca。左のガードに入ってまずまずの仕事をしてくれている。FBのLesterの復帰と合わせて、Busレーンがだいぶ整備されてきている。今後故障者を出さずに若い連中が経験を積んでいけば、ハイレベルのOLができあがるかもしれない。これからの試合の彼らの動きに注目していこう。

(98.11.1)


Jaxに並んだが...

マンデーナイトに強いスティーラーズは健在だった。KCを破って意外に早くJAXに追いついた。

まず褒めなければならないのがスペシャルチーム。Millerのパントも良かったが、なんと言っても1QのパントブロックTD。スティーラーズとしては15年ぶりの快挙だ。相手パンターのAguiarは、587回連続してパントをブロックされていなかった。あと36回でNFL記録となるところだったらしい。このスタジアムでは、数年前のプレイオフでモンタナマジックにやられた試合で痛恨のパントブロックを決められた覚えがあるが、見事に借りを返したことになる。

借りを返したといえば、去年の今ごろ、このスタジアムでのマンデーナイトゲームでRBのAllenにTDパスを投げられるという悔しい思いをしたが、Cowherはそのお返しのプレイを用意していた。今年ドラフトで獲得した「スラッシュ2世」ことWRのWardがKordellからのピッチ受けて右へ走る一方、左サイドに走り込んでいたKordellにナイスパス。意表をついたプレイだった。Kordellと違って、彼はWRに専念するということだが、たまにこういったプレイを見せるのも良いだろう。

この試合、Kordell本人のパスは成功率50%、たったの82ヤードという寂しい数字。1TDでINTなしというのがせめてもの救いだ。相手はパスディフェンス1位、こちらはパスオフェンス30位という数字通りの結果になってしまった。

一方ランの方は、Bettisが復帰して119ヤード。Wolford, Lesterらの復帰も大きかった。特に後半はしっかりゲームをコントロールしていて、スティーラーズらしい試合展開となった。

ディフェンスの方は、いつものように相手ランを押さえ、QBにプレッシャーをかけるパタンだったが、パスディフェンスは、まだまだ甘いところが多かった。相手がTDパスとなるはずのパスを単純ミスで3回も落としてくれたのに助けられた。さらにこの試合では、チーフスが10回も反則をしてくれたのが大きかった。それも大事な場面だったり、止まらないはずの時計を止めてくれたり、極めつけはハドルに12人送り込んだりといった情けない反則までやってくれた。これだけのプレゼントをもらいながら7点差というのはちょっと物足りない気もする。来週以降は、もう少し楽に勝てる試合を増やしていってもらいたい。

来週はThigpenのいるOilers戦。彼との対戦も楽しみだ。

(98.10.27)


勝つには勝ったが...

Bettisが欠場、OLも控えの選手が出ている状況で、攻撃陣は予想通りの苦しい展開を強いられた。Huntleyが走ろうにも穴があかない。Kordellには相手ディフェンスが襲いかかる状況ではなかなか点はとれない。前半3-6と3点差で済んだのは、ディフェンスの頑張りと相手オフェンスの弱さのおかげだろう。

後半立ち上がり早々に41ヤードのキックオフリターンと、KordellからCJへ55ヤードのロングTDパスが決まって、あっという間に7点とれたのは、ラッキーだった。それ以外は、ディフェンスやスペシャルチームが良いフィールドポジションをくれたおかげで、FGを奪えたにすぎない。来週にはBettisも復帰するだろうし、20点はとってほしいものだ。

ディフェンスは、7sackに3INTと大活躍だった。ただ、せっかくディフェンスが良いチャンスを作ってくれてもオフェンス陣がそれを生かしきれていないのが残念。オフェンス陣には、いつかこの借りを返してもらわねばなるまい。

スペシャルチームでは、Millerは良いパントを蹴り、相手に大きなリターンを許さないという形が定着してきた。そして最後は、相手リターナーのファンブルをきっちりリカバーして勝利をほぼ確定させてくれたのは大きい。スペシャルチームのプレイが試合を決定づけることが多々あるわけで、彼らのプレイぶりには、今後も期待していきたい。

さて、いよいよ来週はマンデーナイトゲーム。今年3試合あるマンデーナイトゲームの第一弾だ。Cowherになってから、マンデーナイトゲームには驚異的な強さを見せるスティーラーズがどんな試合をするのか楽しみだ。その前日にはJaxはDenverとの対戦があるので、ひょっとすると彼らも2敗という可能性もある。注目だ。

さらにその翌週からは、Oilers戦をはさみながら、Green-Bay, Jacksonvilleと1週おきに強敵との対戦が待っている。このあたりの戦い方で、今期どこまで勝ち残れるのか、ある程度見当がつくはずだ。いよいよ目が離せなくなってくる。
(98.10.19)


O'Donnel相手にまさかの敗戦

Steelersの強力ディフェンスに対して、BengalsのOLとO'Donnelの足ならば、楽に押えられるだろうという予想に反して、Bengalsオフェンスが頑張りを見せた。苦しみながらも、ロングパス1発でチャンスを広げられた場面が何度もあった。

一方のSteelersディフェンス陣は、これに対して終始Blitzを仕掛けるパターンを変えなかった。Blitzした場合には、相手WRにDBが1対1でつく形になるが、そこをうまく突かれてロングゲインを許すことになってしまった。Seattle相手の試合では、相手レシーバーをダブルチームでカバーするような場面も見られたが、Bengals相手ならばその必要もないと判断したのが裏目に出たようだ。

確かに、戦前の作戦としてはそれで良かったのかもしれないが、相手に何度かビッグプレイを決められていた以上、試合の後半から、あるいはせめて最後の場面は、もっと相手レシーバーを警戒してもよかった筈だ。

それから、O'Donnelがボールをスパイクすると見せてTDパスを投げた最後のプレイは、Marinoも去年あたり1度やっていたが、勇気と冷静さを必要とする好プレイだ。この冷静さがSB XXXの時に発揮されていれば...

ディフェンス優位のスティーラーズも、この日ばかりはディフェンスで負けたと言ってよいだろう。攻撃の方は、Kordellが100ヤードを越えるランを見せた上に、Bettis-Huntleyも走りまくった。ただ、2Qに怪我をしたBettisに代わったHuntleyがいきなりファンブルしたのは痛かった。ゴール目前だっただけに、最低でも3点のチャンスだった。まあ、負ける時はこういうミスが出るものだ。その後は、Huntleyも頑張って、それなりにBettisのバックアップとして使え
ることを証明してくれた点は評価しよう。

その他、WR陣ではHawkinsがうまいキャッチを何度か見せてくれた。Kordellとのコンビネーションも合ってきているし、CJを抜いてエースレシーバーに成長していくという期待も持てる。また、去年から怪我に泣かされていたArnoldがようやく戻ってきた。キックオフリターンを見ても、スピードがあるし、彼にもWRとしてチャンスを与えて欲しい。

Kordellのパス攻撃に関しては、この試合でもロングパスを投げる場面はほとんど見られなかったが、相手ディフェンスにプレッシャーをかける意味でも、多彩なパス攻撃を見せてほしい。

JAXがマンデーナイトでマイアミに勝って2ゲーム差と開いてしまった。今後の直接対決で2勝しない限り、地区優勝は難しいかもしれない。しかし今は、他チームの成績を考えるのではなく、ミスの原因をひとつひとつ潰して、チーム力をつけていくことが最重要課題だ。次回の試合に期待しよう。

(98.10.14)


調子は上向き

Busの力強い中央突破、攻撃的ディフェンス、これがスティーラーズのフットボールだ。前週のMiami戦では全く良いところのなかったオフェンスが見事に復活。Bettisを走らせることでチーム全体が盛り上がっていった。

Kordellも今週はミスが少なくパスの成功率は高かった。ただし欲を言えば、短いパスばかりではなく、もっと長いパスも織り混ぜても良かったと思う。また、彼に走らせたり、スクリーン、リバースなど、前週までとは違って攻撃にずいぶんバリエーションが見られたのも良かった。パスと見せてFuamatu-Ma'afalaを使ってTDを決めたプレイなどは、意表をついた見事なものだった。OCのShermanもにんまり、というところだ。

ただ、本来ならあと1つか2つタッチダウンを決めていてもおかしくない展開だったことも確かで、そのあたりが今後の課題だろう。

OLは、怪我で2人が抜けたが、バックアップがそれなりに頑張っていた。このあたりの選手層が厚くなってくれるとなお安心だ。

一方のディフェンスは、4回のターンオーバーを記録するなど絶好調。CBのWashingtonが好プレイを見せてくれたし、相手のランをきっちり止めるなど、去年の強力ディフェンスが完全に戻ってきた感じだ。Kirklandも良かったしFlowersも結構目だっていた。

ただ、ちょっと不要な反則が多かったのは気になるところ。それから、Gallowayに何回かロングパスを通された点も反省しなければならない。

反則といえば、スペシャルチームのキャプテン、McAfeeのアンスポーツマンライクコンダクトは余計だった。せっかくMillerが敵陣5ヤードへのパントを決めたのに15ヤードも戻されてしまった。チームが盛り上がるはずの場面だっただけに残念だ。

なにはともあれ、良い形で4週目を終えて、今度の5週目はbyeだ。この2週間で故障者の回復と、問題点のチェック/修正を期待したい。
(98.9.28)


ドルフィンズに完封負け

これほどイライラする展開の試合も珍しい。ここ数年でも最低の部類に入る試合だ。Bettisを走らせる場面が去年までに比べて極端に少なくなっている一方で、Kordellのパスは決まらない。試合の後半になってもアジャストする様子も見られない。

今年からスティーラーズのOCに就任したShermanのプレイコールには大きな疑問符を付けたい。来週のシアトル戦でも結果が出ないようなら、解任なんていうこともないとは言えない。彼がチームに来た時には、今までのチームの攻撃パターンを大きく変えることはないと言っていた筈だが、フタを空けてみれば、短いパスを多用するウエストコースト・オフェンス風の攻撃をやりたがっているようにも見えるし、どうなっているのだろう。

確かに、OLもしっかりしていないし、Kordellも投げミスが多いけれど、それをなんとかするのがコーチの仕事のはずだ。もちろん、この結果に対しては、Cowherも責任を逃れるものではない。来週地元でシアトルと対戦した翌週は、幸い試合がない訳だから、そのあたりまでにある程度チームを立て直してもらわなければならない。

ディフェンスに関しては、相手に簡単に走られた場面や、インターセプトしそこなったりした場面もあったものの、トータルとしては心配する程ではないだろう。スペシャルチームも、Millerのパントは良かったし、そう大きな問題はなさそうだ。これで攻撃面が安定してくれれば少しは安心できるのだが、今の状態では、まだまだ不安がいっぱいだ。

とにかく、選手を入れ替えるなり、攻撃面の作戦を見直すなり、打てる手を全て打った上で次の試合に臨んでもらいたい。

(98.9.21)


第二週は冷や汗ものの勝利

4Q残り44秒、相手に攻め込まれて逆転のピンチにLakeが値千金のインターセプション。もう少し楽な試合を見せてくれないものか。

それでも前週に比べればBettisが131ヤード走るなど、改善された点はみられた。OLも前週よりはしっかりしていたし、フルバックのWitmanがなかなかの動きをしていた。相手は、Bettisのランに備えて正面に8人を配する場面が多かったが、WRのCJにブロックをさせるなどして対応したのが奏功したようだ。ただエースレシーバーの彼にあまり無理をさせて怪我でもしないか心配ではあるが。

それから、この試合で目を引いたのは、Josh Millerのパント。8回のパントで平均51ヤード強。去年の彼とは見違えるような安定感がある。寒い時期になってもこの調子を維持できればいいのだが。

さらに、今年のスペシャルチームはきっちりと仕事をしている。若手のHuntleyらの動きが良い。今後ますます楽しみだ。

CBのWashingtonだが、相手にTDを許した場面など失敗もあったが、全体的には、まずまずというところか。問題は第一級のQBやWRを相手にした場合にどの程度活躍できるかというところ。今後注意してみていきたい。

今週も一番の心配はKordellだ。ロングパスは1本もなかったし。成功率も高くない。OCが変わってランよりもパスによる攻撃の割合が今年は増えているが、今のKordellのままでは、苦戦を強いられることになりそうだ。なんとか調子をつかんでもらうことを期待したい。

(98.9.15)


開幕戦は拾いものの勝利

相手がFGを3回も外し、さらにパント時にスナップに失敗して敵陣ゴール前で攻撃権をもらったり、運がよかったとしか言いようがない試合だった。

スティーラーズの攻撃は決して良くなかった。Bettisのランはことごとく止められた。相手ディフェンスのがんばり、OLがしっくりいかなかった、など原因はあるが、なんといってもフルバックのWitmanが期待外れだった。1対1でも相手をブロックできない場面は何度あったことか。Lesterの怪我が痛い。次の試合でも同じような結果ならば、何らかの手を打つ必要がありそうだ。

Kordellは、相変わらずスロースタートだったが、終始プレッシャーを受けながらもなかなか奮闘していた。相手タックルを受ける寸前まで粘ってパスを出すといったプレイが目についた。ターゲットもTEをはじめ10人に投げ分けるなど、去年とは攻撃のパターンが変わってきたようだ。OCがQBコーチの経験者ということもあって、今後の成長に期待が持てる。

レシーバーでは、CJが期待通りの活躍でKordellとのホットラインが開通したと言って良いだろう。それから、Josh Millerが最後の大事な場面で68ヤードの大パント。こういうのがチームを盛り立てる。CBのWashingtonも予想以上に良い動きでちょっと安心。

不満の多い試合だったが、同じディビィジョンの相手にアウェイで勝った意味は大きい。相手にしてみれば、地元での開幕戦を新スタジアムで迎えてどうしても勝ちたかったはずだ。Woodsonも気合いは入っていただろう。そんな試合だけに、敵失に助けられたとはいえ、勝ったのだからよしとしたい。苦手の開幕戦だし。

(98.9.9)


Hall of Fame Game は大敗

今期最初のプレシーズンゲームは、6−30とBucsに完敗という結果となった。もちろん、主力は1Qしか出ていないわけだし、悲観することはない。むしろ、今のうちに問題点をはっきりさせて、あと5週の間に対応すれば良い。

1Qで気になったのが、新OL。相手ブリッツにうまく対応できない場面など、まだまだ連携がうまくいっていない様子。去年までのような強力なラインを作ることができるか、注目していきたい。

攻撃面では、Bettisのリードブロック役のLesterがケガをしているためWitmanが代役で出ていたが、コンビネーションという意味ではもう少し時間が必要かも。

戦術面では、新OCのSheremanがTEへのパスを多用していた点に注目したい。今年は、Bruener大活躍の予感。ShermanはQBコーチとしても実績があるので、Kordellの成長にも期待したい。

守備面では、やはりCBが心配。今年はCBに専念するLakeを別として第二のCBが今ひとつ。誰か出てきてくれないと困る。

スペシャルチームでは、パンターのMillerがキックオフにも挑戦していたが、ミスキック。さらにパントの場面では、スナップが悪く、相手にタックルされて負傷してしまった。これに対して、ルーキーのMatt Georgeが安定したパントを見せ、さらには長めのFGも成功させるなど、大いにアピールしてくれた。これは期待ができそうだ。

NFLヨーロッパで大活躍したQBのQuinnは、2INTという厳しい結果となった。良い肩を持っている魅力のあるQBだし、経験を積ませて大きく育てていきたい選手だ。

あと5週間で開幕。課題をひとつずつ潰していってもらいたい。

(98.8.3)


ようやくCowherの契約延長、LloydはCut

今オフシーズンの課題のひとつ、Cowherとの契約問題がようやく決着。3年の延長で2002年のシーズンまで契約を伸ばした。

年俸は、結局Cowher側の要求がほぼ通って倍増の年間200万ドル程度となった。ヘッドコーチの年俸としては、GM兼任のJetsのBill Parcells、MiamiのJimmy Johnsonが共に240万ドルとトップ。ヘッドコーチ専任では、Green Bay の Mike Holmgrenと並んでCowherがトップとなった。実績から言っても妥当な線といえよう。

一方、Lloydは高年俸がネックとなり、放出されることとなった。トレードも模索したようだが、条件が合わなかったようだ。相手QBを震えあがらせる迫力あるプレイが見られなくなるのは残念だが、現在のサラリーキャップによる買い物ゲーム的な状況下では、彼をとるかそれとも浮いた金でベテランのCBをとるか、というような選択を迫られるのは仕方のないことと割り切るしかないだろう。

来週から始まるキャンプでは、彼の穴を埋めるOLBにも注目だ。

(98.7.15)


今年はNFLの生中継が見られる

今日のスポーツ新聞によると、スカイパーフェクTVがNFLの試合を150試合程度ライブ中継(一部録画)する予定だそうだ。

単純計算すると週平均7試合程度となるが、スティーラーズの試合がどの程度放送されるかなど、詳細は不明。できれば、BSやGAORAとの重複を避けてほしいところ。料金は25000円程度とあったが、個別の試合あるいは特定のチームのパック料金があるのかなど不明。是非、手頃な値段でスティーラーズの試合が見られることを期待。

(98.7.2)


明日からミニキャンプ

NFLの長いオフシーズンも半分以上が過ぎた。6月にはミニキャンプがスタート、さらにサラリーキャップの関係で、6月1日以降に放出される選手が注目される。Scottがケガをする前はWoolfordの放出確実と言われていたが、その方針に変更はないのか、あるいは他チームが放出した選手を安く拾っていくのか、興味がある。

それから、Cowherの2000年以降の契約交渉がもつれているが、そろそろ決着してほしい。スティーラーズのコーチとしては異例のエージェントを入れるなど、順調な交渉ではないようだが、早く決着してほしい。NFLトップレベルのヘッドコーチの給料の半分という現在の待遇が低いのは確かだし、オウナーもある程度譲歩しても良い気もする。

(98.5.31)


ドラフト 第1日目を終了

第一日目は3巡までの指名。スティーラーズは3巡目の指名権を3個持っていたが、Jetsに2巡(26th)、3巡、5巡の指名権を渡し、逆に2巡(11th)の指名権を得た。指名結果は、以下の通り

1巡:Alan Faneca(G) LSU

2巡:Jeremy Staat(DL) Arizona State

3巡:Chris Conrad(OL) Fresno State

3巡:Hines Ward (WR) Georgia

最近のスティーラーズには珍しく、今年はFAでの損失が少なかったため、ドラフトで埋めなければならない大きな穴はなく、選手層を厚くする方に重点をおける状況だった。

その中で、30歳を越えた選手が多いOLの補強ができた点は大きい。また、2巡ではDLのStaatを取り、Steedのバックアップを確保した。彼らはサイズや体力的に非常に優れた素材で、足りないのは経験だけという状況。1、2年後のレギュラー目指して育てていきたい。

また、3巡最後(31st)の指名となったWardは、QBやキックリターナーもできる選手。ただKordell程のスピードはないようなので、Slash2世ということにはならないと思うが、パスキャッチやその後のランでの強みを生かしてレシーバーとして大成してもらいたい。

翌日は4巡目以降の指名。

(98.4.19)


もうすぐドラフト

去年、FAで6人失って2人獲得したスティーラーズは、今年のドラフトで4人分の指名権を獲得した。3巡、4巡、6巡、7巡でそれぞれひとりずつ余計に指名できる。他チームがほとんど1人分の指名権しか与えられなかったのと比べて突出している。しかも、他チームは、すべて6巡か7巡の指名権だ。

これでスティーラーズは、3巡目に3回の指名が可能となる(去年トレードで3巡目の5番目の指名権を獲得しているので)。場合によっては、他チームとのトレードで2巡の指名権を獲得する手もある。ただし、今回の補填分の指名権は他チームへ譲渡できないことになっているらしい。

通常は、7巡目まで7人分の指名権があるわけだが、これでスティーラーズは、14人分の指名権を持つこととなった。指名数が少ないチームの来年の指名権とトレードするなど、有効に活用してもらいたいものだ。

(98.4.1)


ThigpenはOilersへ

5年契約で$21Mil、WRとしては史上最高額でFA移籍が決定。スティーラーズがとても出せる額ではなかった。来期はCJ、Hawkinsを中心に若手の成長を期待する形になりそうだ。

(98.2.15)


FA選手の争奪戦がスタート

いよいよ今日から、FA選手が他チームとの交渉が解禁となった。スティーラーズとしては、FAの各選手が他チームからどの程度の引き合いがあるのかを見た上で、再契約の交渉をしていくことになる。

今年からCAP額が最低でも1000万ドル増えて5150万ドル程度となる。さらに2万ドル弱の上積みの可能性もあることを考えると、良い選手にはますます高額のオファーが来ることが予想される。Thigpen, Steedの動向に注目だ。

CAPが増えたと言っても、来年LakeやKirklandがFAとなることを考えると、今のうちに彼らとの契約の延長も視野に入れておく必要があるので、金の使い方は結構難しい。またまたDonahoeの腕の見せ所だ。Lakeは今franchise playerに指名されているはずだから、まず彼との契約を延長して、さらにKirkにそのタグを張り替えるという今年のBengalsのような作戦も考えられるが、まあそれは来年の話だし、まずは今年のFAに注目しよう。

それから、今年もまたコーチを失ったスティーラーズだが、今までと違ってスティーラーズのシステムを知っている内部のコーチの昇格とならない可能性が高い。今のシステムを知らないコーチが来るとなると、その選択は重要な課題だ。

Bettis, Stewartというタレントに加えて、強いラインを持つチームだけに、若いコーチには魅力のあるポストであることは間違いない。実績のあるベテランコーチだけでなく、他チームの若いQBコーチやWRコーチの抜擢も含めて、幅広く人材を探すのが良いと思う。意外な拾いものがあるかもしれない。

(98.2.13)


補強のポイントは?

今シーズンをふりかえって、是非とも補強したいポイントを簡単に。

まずはCB。LakeはSに戻ことになるだろう。一流CBが欲しいばかりに超一流Sを犠牲にするのは得策ではないだろう。ただ、まさか2年連続でCBをドラフト1位というわけにもいかないだろうから(ドラフト1巡目後半に適当なCBもいないようだし)、FA期待ということになる。Woolfordは相当な給料をもらいながら大きな期待外れ、J.B.Brownも論外で、去年のCB補強はScott以外失敗しているだけに今期は、しっかり補強してほしい。Woolfordはカットしよう。

次にOLB、怪我をする前のLloydや Kevin Greene, Chad Brown といった連中と比較してしまうと、迫力不足は否めない。Lloydがどの程度の状態でプレイできるか、GildonはFAで去るのか、Donta Jonesの成長が期待できるのか、注目したい。Gildonが出るようなら、補強の重要なポイントとなってくるだろう。

それから、30歳を越える選手が多いOL。JacksonがFAで出るようなら、Stephensあたりがスターターを狙う形になるが、選手層がだいぶ薄くなるので、将来性のある若手を確保したいところだ。

あとは、Bettisのバックアップランナー。今年は、1st/2ndダウンの攻撃はBettis, 3rdダウンになると新人のG.Jonesが出ていたが、プレイオフではMcAfeeにとって代わられるなどいまひとつ。前の年は、Pegramがいたので、1試合で2ドライブくらいは完全に彼にまかせてBettisをまとめて休ませられた。おかげでBettisは1試合20キャリー程度で済むことが多かったが、今年は、30回以上走ることが多く、疲労や怪我が心配だった。是非ともPegramクラスのスピードランナーがほしい。今シーズンの3rdダウンのコンバージョン率がNFL1位というのが不思議なくらい、3rdダウンランナーの迫力がなかった。何もしなくてもBettisがいるだけで相手は嫌だろうから、来期はなんとか工夫してほしい。

最後にパンター。シーズン終了後、各選手にCowherは個別に会う時間をとったようだが、意外にもMillerはニコニコ顔で部屋を出てきたそうだ。まあ、すぐにクビにはならないだろうが、キャンプにはライバルが現れるのは間違いないだろう。そういえばデンバーのパンターはMillerよりもひどいくらいだったが結構人材が少ないポジションなのだろうか。

あとはFAの結果次第。Thigpenが抜けるとなるとWR陣もちょっと心配。CJがもっと伸びるかと思ったがいまひとつだし。ただ、Hawkinsはある程度期待できるし、Blackwellも楽しみ。あと怪我をしていたArnold他、数はそこそこいるのだが....

(98.1.21)


チャンピオンシップゲームを見て

やっとじっくりビデオを見る時間ができたのであらためて感想を少々。

まず、注目のプレイをいくつか。試合開始早々のデンバーの攻撃。パス失敗で2nd-10の場面、Sharpeへのパスに対して、Kirkland, Scottのダブルカバーで見事KirkのINT。Sharpeがカギになるのが予想された試合で、予定通りのディフェンスができたのは素晴らしい。ただ、ILBのKirkにTEカバーをさせるのは、読みが外れて相手がランできた時などちょっと心配。また、いくらKirkがスピードがあるといってもSharpeクラスのTEをマークするのはちょっときつそう。やはり、来年はLakeをSに戻して相手TEを料理する体制の方が安全そう。

一方、スティーラーズの第一プレイは、当然Bettisのランかと思ったら、Bruenerへの16ヤードのパス。Bettisだけじゃないよ、という挨拶代わりの先制パンチ、鮮やかな立ち上がりだった。

しかし、その後38ヤードのFGを外して、ちょっとイヤなムード。ここで、Davisに43ヤードのラン、さらにTDランを決められ、あっという間に先制された。この2つのランは、外へ走るとみせて途中で内側へ切れ込むデンバー得意のパターン。ビデオなどで研究していた筈だがうまく走られた。まあ、地元ではここ75クオーターでこれが2個目のランによるTDと堅い守りのスティーラーズに対して、その2個のTDランを決めたDavisはやはり大したものということか。結果的にヤード数は稼がれたが、この後は要所で彼のランを止めていたのはさすが。

この試合最大のビッグプレイはKordellの33ヤードラン。左に投げるフェイクを入れている間に、センターのDawson,右タックルのStrzelczykが右に走り、Strzelczykが一人、Dawsonが二人をブロックしてKordellのランをサポートした。当然、デザインされたプレイだが、センターがスクリメージラインから15ヤードも先まで走っていく場面はそうそうみられるものではない。130kgながら俊敏なDawsonとKordellの組み合わせだからこそできるプレイだろう。

このほか、Hawkinsへのスクリーンパスから彼が10ヤード程度ゲインをするプレイを2度ほど見せるなど、プレイのバリエーションが増えてきているのは来期へ向けて楽しみなところだ。

試合全体の感想としては、力からいうとスティーラーズの方がちょっと上かなという感じ。デンバーは、後半リードしながらゲームをコントロールすることができず、スティーラーズに反撃の余地を残した。最後、オンサイドキックとみせて相手に通常のリターンチームではない連中を出させておいて深く蹴り込むという作戦が成功した後、相手3rdダウンの攻撃を止めさえすれば、パントでフィールド中央あたりのポジションをもらえる場面、そうなればFGでも同点延長と思ったところで、Elwayがパスを決めて1stダウン獲得。この場面はさすがElwayといったところだった。それ以外は、スティーラーズの反則(パス妨害2丁)を着実に点につなげただけというイメージで、怖い感じはしなかった。彼らがSBで勝ったら、そんなもので良いのか、ということになるのだが....

(98.1.21)


Super Bowl XXXIII が見えた!?

Kordellは3INTに1ファンブル、Norm Johnsonは38ヤードのFGを外し、Lakeはパス妨害をとられロングゲインを許した。これで24−21というのは不思議なくらいだ。もっとも、これらのミスを除けば互角の内容の試合だった。両チームとも間違いなくNFLトップレベルの力を持っていると言って良いだろう。

この9試合、試合の後半に許したTDはたったの1個というスティーラーズディフェンスは、この日も後半無失点に抑えた。一方、ブロンコスは前半最後の1分余りのわずかなスキをついて14得点と勝負強さをみせた。負けたのは残念だったが、力負けではないだけに、半分満足感のある試合でもあった。

Kordellの4つのターンオーバーは痛かったが、2年前のSBでミスを連発したO'Donnellと違って、なぜか彼を責める気になれない。先発QBとしてはルーキーだから、というのもあるし、33ヤードのTDランを見せるなど、現在の彼は両刃の剣だだから仕方ない、というのもある。しかし最大の理由は、この失敗の経験をバネに、彼が来シーズン以降、一ランク上のQBに成長する期待感があるためかもしれない。

今シーズン始まる前、FAでチームはボロボロになり、先発QBも経験のないKordellということで、地区3位や4位といった予想をする評論家もいた状態を思うと、よくぞここまで来たものだと驚くばかりだ。Kordellの成長はもとより、Bettis, Thigpenがそれぞれ1000ヤードを大きく上回る大活躍、LakeはCBの穴を埋め、ディフェンスはシーズンが進むにつれて威力を増していった。ここまでやってくれるとは誰も予想できなかったのではないだろうか。

幸い、今オフは去年ほどFAで抜ける選手は多くなさそうだ。Thigpen, Steedとの再契約は最重要の課題だが、今年はTV放映権の契約更新の年なので、サラリーキャップもかなり増額されるはずで、彼らの残留は確保できるのではないだろうか。Jackson, Gildonあたりはチームを去るかもしれないが、このあたりは、FAやドラフトで補強していけるだろう。そうなれば、来年は、今年よりも随分高いレベルでのシーズンスタートとなる。Kordellがあと少しパスの成功率を上げ、INT率を下げてくれて、チームに大きな故障者が出ない限り、今年を大きく上回る成績を上げることは間違いない。

今年のチームは、Cowherがコーチになって以来、最強のチームだったかもしれない。SBに出た年の方がビッグネームは多かったかもしれないが、総合力では今年の方が上ではないだろうか。Cowherの下で来年さらにチームが成熟し、スーパーボウルXXXIIIに出てチャンピオンになるという道筋がかすかに見えてきたと言っても良いと思う。

今年のスティーラーズ、素晴らしい成長をみせてくれてありがとう。多くの感動的なプレイをみせてくれてありがとう。こんなチームを応援できたことを我々ファンは誇りに思うべきだろう。

(98.1.12)



ディフェンスの勝利

最初の5分はすばらしい出来だった。相手の攻撃は、Scottが見事なインターセプションで断ち切った。去年、霧の中でWoodsonがやられたお返しができたというものだ。その後の攻撃では、3rdダウンロングの場面が2回ほどあったが、CJへのパスでつなぎ、最後はStewartが40ヤードのTDラン。最高の立ち上がりだったが、これがこの試合唯一の得点となるとは想像もできなかった。

前回の対戦と同じく完璧にBettisが抑えられた。彼の膝の調子が悪かったのか、相手ディフェンスが良かったのか、中継をみてみないとなんとも言えないが、相手は、ライン上に8人のディフェンスを並べるなど、Bettisを止めることに相当力をいれていたようだ。しかもCBのTy LawがThigpenに対してかなりきついマークをしていて、マンツーマンでもスキを与えなかった。

おかげで、1st downでBettisがノーゲイン、2ndダウンでパス失敗してあっという間に3rd down longになる場面が多かった。その結果が9パントだ。しかもパンターのMillerがこの日もミスキックの山で、相手に良いフィールドポジションを与える場面が多かった。そのピンチを救ったのがディフェンス陣だ。相手には36ヤードしか走られず、2INT、2ファンブルリカバーと良い所をみせた。パスで244ヤードのゲインを許したが、相手はランプレイをあきらめてパス中心にきたことを考えれば、この数字は上出来といってよいだろう。相手がレッドゾーンに入ったのはたったの1回、それもFGに抑えている。もっともSteelersの方もレッドゾーンに入ったのは1回、しかもゴール前1ヤードで4th downのギャンブルに失敗している。

その場面だが、4Qの残り3分半、1点のリードで相手ゴール前1ヤードという場面。FGを狙えば、確実に3点入る距離。そうなれば、相手はFGでは追いつかず、TDを狙うしかなくなる。ここでCowherはギャンブルに行き失敗。相手はFGでも逆転という場面になった。試合では熱くなるタイプのCowherだが、こういう場面では以外と冷静にFGにいくことが多かったが、この場面はギャンブルに出てしまった。試合後、自分で反省していたようだが、それだけプレイオフのゲームというはコーチにもプレッシャーが強いのだろう。そんなコーチのミスを帳消しにしてくれたのがルーキーのVrabelだった。Bledsoeのブラインドサイドからファンブルを奪い、Gildonがリカバーした。

Scottといい、Vrabelといい、前半最後に58ヤードのパントリターンをみせたBlackwellといい、今年もルーキーがよく成長してくれた。ところで、そのドラフトをはじめ選手補強に素晴らしい仕事をしてくれたチーム編成責任者のDonahoeがシアトルから現在の5倍の1億円以上の高給で誘われているらしい。毎年多くのFAを失いながら毎年プレイオフにでてきたのは彼とCowherの働きが大きかったためだが、もし噂の通り彼がいなくなるのであれば残念だが、これはビジネスの世界だから仕方のないことだし、その時には彼にSBチャンピオンチームを編成したというみやげを持たせてやりたいものだ。

さあ、相手がKCかDenverか、明日の試合に注目しよう。

(98.1.4)




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